2013年 07月 08日
空っぽのベンチ
すぐに強烈な猛暑に襲われて、すっかりグッタリしています。 (>_<)
なかなか記事をアップできなかったのに、
ちょくちょくここをのぞいてくださった皆様、どうもありがとうございました!
「Woman」の信さんにも、実はまだちゃんと会っていない私です。
というのも、「Mother」を再放送で初めて見た時に、
翌日仕事に行けないくらい(!?)号泣してしまって、
これもきっと大変なことになるから、
涙があふれ始めたら見るのを中断しよう、と思っていたら、
信さんに思いいれがあるせいか、開始5分くらいで、
布団の中の母娘の会話ですでに泣けてきて、 (^_^;)
信さんとの、出会いと結婚生活の笑顔の場面しか、
まだ見れていません。
もしかしたら、このドラマは当分まともに見れないかも?? (T_T)
そこで、ふだん見ていないWOWOWを契約して、
ようやくまた、あの暗闇の中へと彷徨うことができました。
以下、ネタバレですので、
見たくない方はスルーしてくださいね。
この録画は、
公演何日目くらいの舞台だったのでしょうか?
他の劇団のようにアドリブが増えていくということもなく、
ほとんど変化のない舞台だったと思うので、わかりませんでした。
もし、ちょうどカメラが入った日に行かれた方がいらしたら、
是非教えて下さいね!
今回は、史実にからむくだりはおいておいて、
大一郎の変化(成長?)に注目して見てみましたが、
見返してみて、ますますモヤモヤしてきた部分があるので、
自分の気持ちを整理するために、書きたいと思います。
丸眼鏡にオールバック、
いかにも復員兵な姿の大一郎。
お金を盗んだことがバレたら殺されない?
・・と聞かれて動揺するところ、
日によってタバコを落としたり、ライターを落としたりしていましたが、
録画では、ポケットからなかなかタバコが取り出せない、というシーン。
旬くんのアドリブだったのか、
本当にいろいろ落としただけだったのか?? (^o^)
そこから続く大一郎の長大なセリフ、
いつも一言も噛まずに、見事な語りっぷりでしたね。 (^_^)v
大一郎のそばに来て、
「どうして私を連れてきたの?」と、不安げに聞く奈生子。
「どうして、ばっかりだなあ。嫌なのかい?」
と聞く大一郎ですが、
公演前半では、大一郎も不安そうだったんですよね。
(ついてきてくれたけど、まだ迷いがあるのかな・・?)という感じで。
「まだ未練があんのかい、旦那さんに。」
というセリフも、恐る恐る聞いていたし。
そして、その後、二人とも求め合って倒れ込む場面でも、
大一郎は身体をちょっと離して、ためらいがちでした。
それが、公演後半では、
「嫌なのかい?」も「未練があんのかい?」も、
ちょっと怒ったように言うんですね。
(ここまでついてきて、今さら何だよ?)みたいに。
そして奈生子も承知の上、とわかって
ためらいなく、激しく押し倒す感じ。
大一郎の心境の、旬くんの解釈の変化は、何だったのかな〜??
ちなみに私は、前半のためらいがちな方が好きでした。 (*^_^*)
戦後の世の中を生き抜こうとする目的も、
人生の伴侶、そして血の絆を求める決意も、
まだ見えていなくて、あやふやで、
何となく流されていそうな大一郎らしくて。
「この金を元手に稼ぎこんでやるよ。」
と言いながら、
「しかし、どうも危なっかしくてね。両手が透けてくるような気がした。」
今、見返してみて思えば、
金儲けとか、世渡りとかを人生の目標として生きていくことに、
大一郎は、漠とした疑問と不安を抱いていたのでしょうね。
そして足が向いた先が、奈生子の家の前。
その理由が、祖先達にまつわる血の絆であったというよりも、
単純に、「上京したときの初恋」であったほうが、
私は、大一郎の未来に希望が持てた気がしますが。 (^_^;)
そして、
金次郎たちの悪夢に迷い込み、
最初はただ呆然と、
目の前で展開する歴史絵巻の傍観者として、右往左往するばかり。
でも、金次郎が命じられておとせをおぶおうとすると、
「俺の探している女を、あんたがおぶうのはむずがゆい」
大一郎の中には、
やはり奈生子への想いはあるとわかる、かすかなシーン。
かと思えば、すっかり洗脳されて (^o^)
一緒に大声で歌いながらの行軍。
音程もはずしてなくて、
旬くん、歌も上達!? (^_^)v
「微塵も透けちゃいねえ!」
と掲げる手の、長い指の美しいこと!
暗闇の中、
「目をこらして見つかるもんでもない。
はっきり思い描くほど、鮮やかになることもある。」
と言われて、なるほど、と
眼鏡をはずして探す決意をする、大一郎。
探し物は、消えた金次郎でもあり、
これからの生き方でもあり、未来に築く絆でもあり・・??
それにしても、
やはり眼鏡を外してからの大一郎は、カッコいい! (^o^)
最初の、冴えない大一郎を演じるためには、
あの丸眼鏡、残念だけど、はずせないんですね・・。
赤ん坊はあなたの子供、と言われて、
呆然とする大一郎。
受け入れて、と言われて、
「・・受け入れられるもんかぁ!」という、
そのセリフの間合いと表情がいつも絶妙で、
大笑いの場面でした。
今回の舞台で数少ないコメディタッチの場面、
敬礼の号令のところとか、ラッパで戦うところとか、
旬くん、コミカルな演技もますます上手になったのは、
新感線のおかげでしょうか??
赤ん坊を抱いて、
「こいつは、遙か彼方を思い描かせやがる。」と叫ぶ場面、
優しく愛おしく赤ん坊を抱く信さんの入浴シーンと、
ついつい比べてしまいました。 (*^_^*)
大一郎にとっては、
金儲けとかでは描けなかった、未来への希望の象徴だったのでしょうね。
自分と奈生子の血のしがらみも知って、
その血をつなぐ赤ん坊を受け入れて、
この子の顔をしっかり見るために、眼鏡を買おうと、
満面の笑みを浮かべる、大一郎。
暗闇の中から浮かび上がった、
はっきりとした未来に向かって、
奈生子と歩む人生にも、なんの迷いもなくなって、
決意を固めて歩き出す二人が、
希望を伝える終わり方だったのが、
この、難しい舞台の救いだったような気がします。
この物語、
長塚さんも、旬くんも、観客を混乱させてかまわない、
というようなことを言っていたと思います。
いろいろな解釈があるでしょうし、
長塚さんが言いたかったテーマとはだいぶ離れたような気もしますが、
私にとっては、
埋もれた歴史の事実がどうとか、血のしがらみがどうとかいうより、
単純に、
戦後の混乱で人生の目的を見誤っていた男が、
まっとうな未来を見つけるまでの物語とすると、
一番、スッキリしました。 (^_^;)
東日本大震災後に結婚が増えたように、
戦後の日本でもきっと、
家族という血の絆を求め、大事にしたい、
という流れが、自然に生まれたのではないかと思います。
舞台を生で見ていたときには、史実の幻を追うのに精一杯で、
傍観しているばかりの大一郎が主人公には見えませんでしたが、
今、こうして振り返ってみると、
やはりこれは、大一郎の物語であったのかな、と思います。
皆様の感想はいかがでしょうか??
是非、聞かせて下さいね!
そして、
スッキリした顔でカテコを迎えた旬くん!
充実の「Next Stage」も、
まだ読み終えてはいないのですが、
印象的だったのは、
なぜか裏表紙なんです。 (^o^)
表紙で旬くんが座っていたベンチが、
空っぽになって、ポツンと残されている写真。
そこにいた彼は、
次の10年に向かって、
どこかに歩き出したんですよね!
今はその行き先がどこなのか見えなくて、
私の目の前には、空っぽのベンチが残されているだけだから、
ちょっとつらいです・・(T_T)
もちろん、「Woman」や「少年H」の印象的な脇役も、
声優などのお仕事も楽しみではありますが、
そろそろまた、「ど真ん中」に立つお仕事も、
発表を待っていま〜す (^^)/