2012年 09月 10日
鳥飼誠一論 ② * 向こう岸
タイトルをこうしてしまったために、
ここに迷い込まれてしまう「踊るマニア」の方がいらっしゃるので、
おことわりを追記させていただきます。
こちらは、小栗旬ファンブログです。
「踊る」に関しては、ドラマや映画を楽しく見ていて、
青島さんも室井さんも普通に好きなライトファンですが、
一つ一つの台詞を覚えているような熱烈マニアではありません。
あくまで、小栗ファンの一個人としての目線で鳥飼を見ていますので、
感じ方や解釈が大変偏っていると思います。
(もちろん、小栗ファンが皆、このような感じ方をするわけではありません。)
そのような感想もまた一興、と
広い心で読んでいただける方は、お立ち寄りいただければ嬉しいです。
その他のキャストファンの方、「踊るマニア」の方には、
不愉快な思いをさせてしまうかもしれないので、
それが許せない方は、大変申し訳ありませんが、
読まずにスルーしていただければ幸いです。 m(_ _)m
* * *
参っています (T_T)
初日に「F」を見て、
気持ちがぐちゃぐちゃになってしまって、
徹くんどころではないというか、
彼への想いを引きずって、
どうにも考えがまとまりません。
ファイナルのノベライズを読み、
コンプリートブックを読み、
「LAST TV」も見返して、
考えて、考えて、考えて、
それでも、どうにも心のざわめきがおさまりません。
2年前、「3」を見た時にもモヤモヤして、
その時に書いた「鳥飼誠一論」を久しぶりに見返してみて、
それで少しつながったものがあるかもしれないのですが、
このままだと、明日のリチプアをまっさらな心で見れないので、
自分の心を落ち着かせるために、
今の時点で思うことを書き留めておきたいと思います。
以下、完全にネタバレを含みますので、
Fをまだ見ていない方は、今は決して読まないでくださいね。 m(_ _)m
2年前の記事は、今なら左下の「記事ランキング」から飛べますので、
もし良かったら読んでみてくださいませ・・。
(2010.8.3付けの記事です。)
先週の「LAST TV」を見た時は、
ほとんど出ないかと思っていた鳥飼が予想外に登場し、
しかも思わせぶりなラストの台詞があったので、
(あ〜、また予告詐欺の客引きかな〜?)
なんて思っていました。 (^_^;)
「3」の時の予告も、眼帯をした鳥飼と青島が対峙するシーンに、
「お前を逮捕する」という言葉がかぶせられて、
いかにもなフェイクでしたから。
けれど今回の「青島さんは手強いですね」は、
フェイクでも何でもなかった。
正直、あの展開はショックでした。 (T_T)
鳥飼には、
ギリギリのところで、こちら側にいて欲しかった。
あまりにショックで、映画ラストの青島の演説とか、
エンドロールのすみれさんと青島とか、
そういうものが目に入らなかったくらい・・。
ずっとずっと考え続けました。
青島と室井が15年かけてもできなかったこと、
警察機構の腐ったトップを引きずり下ろして組織を変えること、
それをやったのは、
結局、鳥飼・小池・久瀬という3人の「犯罪者」という結末。
それでいいの!?
しかもその動機が、
鳥飼と久瀬に至っては「私怨」ですよ??
百歩譲って、無罪になった誘拐犯人を被害者の身内が殺すのは、
「闇の仕事人」的な意味で共感できる面もあるかもしれません。
上の命令に従っただけ、とはいえ、
犯人が無罪になったことも知らず、
のほほんと生きている真下を憎むのも、少しはわかります。
でも、真下の「子供」を殺そうとしたのは絶対に受け入れられない。
鳥飼の携帯に「同じ時間になったら子供を殺します」
というメールが届いたときの衝撃・・
あそこで、鳥飼が「子供は殺すな」と返信してくれていたら、
まだ救われた。
本当は、鳥飼が首謀者ではなく、
6年前の被害者は鳥飼の身内とかではなく、
ただ、もっと昔に同じような目にあったことがあって、
それで久瀬と小池の計画に共感し、見逃しているだけ・・
そうであって欲しかった。
久瀬の犯罪を利用し、
隠蔽に走るであろう上層部を追い落とす計画。
それだけならば、告発文にも重みがあるし、
「犯人を知りながら見逃した」という罪だけだったと思うのに。
無関係の子供を殺すことを容認(指示?)した人間が、
いくら正義漢ぶって「告発文」を送っても、
誰が受け入れるというのでしょうか・・
何が彼を「向こう岸」に追いやったのか。
もちろん、始まりは6年前の事件だと思います。
そして、自らの左眼を奪った、2年前の事件、
いくら書いてもゴミ箱行きの「建白書」、
2週間前に無罪判決になった犯人たち。
ノベライズには、冒頭の「拳銃を長官に見せた」場面で、
予想通り6年前の事件を覚えてもいない長官の態度を見て、
「決心が固まった」
と書かれていました・・
ただ、その言葉だけでは、
全ての計画を鳥飼が立てて、
久瀬と小池に指示したのかどうかまではわからない。
というか、本店のエリート刑事である久瀬と小池が、
自らの意志でなく、そんな犯罪に手を染めるとは考えにくい。
「コンプリートブック」の監督インタでは、
ーー確実に彼(鳥飼)は、「実行犯」ではないんですよね。
報告を受けているだけで、
関与しているかどうかはよくわからない。
彼はある種、全部壊していく「破壊の神」で、
その後に新しい何かーー新しい希望が築かれていく。
だからすごく深い話になっていると思います。
と語っているのですが、
本編を見た観客の印象は違うと思うんです。
どう見ても、鳥飼は首謀者で、犯罪者。
逃げも隠れもせず、「刺し違えて」警察組織を出て行ったけれど、
行く先は、結局刑務所ですよね?
(実行犯でなければ、執行猶予とかあるのでしょうか??)
監督さんやPが、
鳥飼という「ダースベイダー」キャラをとても愛してくれて、
しかも、鳥飼を演じる旬くんを
ものすごく美しいダークヒーローに撮ってくれたことは、
本当によくわかります。
冒頭、保管庫に歩く鳥飼の全身を追い続ける長いシーン。
夜景の見えるガラスの部屋から、本店に電話をかけるシーン。
惚れ惚れするような場面でした。 (*^_^*)
でも、観た人の感想を読んでも、当然ながら
「鳥飼たちの正義は容認できない」ですよね。
まあ、確かに鳥飼が自分は何も犯罪に荷担せずに、
久瀬の犯行を偶然利用してトップをやめさせてしまったなら、
鳥飼が完全なるヒーローになってしまって、
青島も室井も何だったの??・・っていうファイナルになってしまいますから、 (^_^;)
どうしても、
鳥飼は許されないキャラにならなくてはいけなかったのでしょうが・・
鳥飼のお姉さんは、一人残されて、どうなってしまうのでしょう?
娘は殺され、久瀬はおそらくは死刑、鳥飼も犯罪者。
せめて、誘拐事件を苦に姉が自殺してしまったとか、
だから鳥飼にはもう何も喪う物はないし、
自分が死刑になってもかまわない、くらいの覚悟だったと、
そのくらいの動機付けは欲しかったです。
そして青島さん。
あなたのファイナルなのに、あなたは何をしたの?
小池が残っていることに疑問を抱いたのは、和久くん。
鳥飼が6年前の事件の関係者だと気づいたのは、婦警さん。
無謀なやり方だけど、久瀬を逮捕させてくれたのは、すみれさん。
あなたはビールを隠蔽し、(^o^)
野生の勘で走ったらバナナに突き当たり、
それで、鳥飼に向かって
「正義ってのは、胸に秘めておくくらいがいいんだ」
胸に秘めて、15年間組織を変えられなかったけれど、
自分は犯罪者にはならなかったことを、正義というの?
せめて、のほほんとした真下に、
「どうして上の命令なんかに従ったんだ!」って説教して欲しかった。
市井の小さな正義(青島)と、
強大な悪の正義(鳥飼)。
結局、どちらも是認できない、
どちらも真の正義とは呼べない、
・・それが、「踊る」15年の結末って・・
「勧善懲悪にはならない」、それがリアルなのかもしれませんが、
胸のすく結果にならなくて、せつないです。
現に監督のインタでも、
ーー今回も悪が魅力的だ、っていうのは間違いないんですよ。
織田さんも、自分がそれをどう受けて立ったらいいか、
迷われてたみたいなんですよね。
これじゃあ、青島の15年間が出せない、と。
もちろん、過去作品を振り返るオープニングやエンドロールなど、
映画のファイナルとしては、よくまとめたのは確かですが、
悪(鳥飼たち)のおかげで「新たなる希望」が生まれるっていう結末、
旬くんは魅力的だったけれど、複雑な気持ちがぬぐえないんです・・。
今回のストーリーの骨格はPから提案されたものだそうで、
これで終わりにすることを決めたのもPだし、
これまでのコメディ人情もの(?)路線から、
ぐっとシリアスな社会派路線に舵を取った気がしますが、
「ある意味、もう一人の主人公」と言われた鳥飼に、
旬くんを抜擢してくれたことには、感謝の念が絶えません!
初日には「踊るF」として映画を見ていたし、
インタビューとかも飛ばし読みなので、
「スピンオフ / 告発者・鳥飼誠一」としての目線で(!?)
まだまだ何回もリピしたいと思っています。 (^o^)
鳥飼の室井・青島への思い、小池・真下への思いを考えながら、
「3」や「LAST TV」を見ると、また全然違う表情が見えてきます。
鳥飼は何がしたかったのか、
Pや監督は何が伝えたかったのか、
考えれば考えるほど、実は深い作品になっている気がします。
ただひとつ、やはりショックなのは・・
「踊るリターンズ」があっても、旬くんが出られないこと (>_<)
もしかしたら、今の私の動揺は、
それが一番の原因かも!?
皆様の感想も、
是非、聞かせて下さいませ・・ (^^)/
私は、鳥飼さんが犯罪者で終わったとは思ってません。上層部の膿を出す為に、青島と室井を利用したという部分で、鳥飼らしいと思います。逆に、こちら側に来てしまえば、冷めるし萎えます。小栗旬の使い方は、結局そうなんだな…と。いい人で終わってしまうと、鳥飼の意味が無くなるような気もします。自分は、特に小栗さんのファンじゃないけど、今回の作品で、気になる俳優さんになりました。
次回作があっても、彼は十分出れます。他の重役も、きっとこれまでに犯罪スレスレの事をしてのし上がって来たはず。でも、そうやって上へ上がっても、それであぐらかいて生きて行くような男じゃないですよね、鳥飼は。だとしたら、今後も十分キーマンとして活躍が期待出来ますよ。続編があればですが。
長々と書きましたが、私は逆に、スッキリしない貴方の気持ちが分かりません(あなたへの批判じゃないですよ)。これは、小栗さんのファンじゃないからなのでしょうか。犯罪者が逮捕されずに残っている終わり方には、現実的に考えると「おいおい」と思いますが、あくまでも空想の物語での事ですので、彼の立ち位置はあれで良かったと思ってます。
鳥飼くらいの頭になると、逮捕されずにいると思います。
それに、鳥飼のポジションは代わりになる人が全くいないので、もし仮にリターンズがあれば十分出ると思いますよ。なんたって正真正銘の犯罪者である小泉今日子もインパクトのあるキャラのために再登場したくらいですからね。
それにしても強烈な役ですね。美味しい!これはただのいい人よりも美味しいです。そして旬君の新たな魅力が引き出されていると思います。
天地人の時も思いましたけど、キレキレの旬君は確実に主役さんを食いますね…(苦笑)。それだけすごいってことですが。
踊るはきっと色んな意味でファイナルだと思いますが、旬君の役幅は広がったと思うので、また新たな作品で躍動してほしいなと思います。
「踊る」ファンじゃなく「小栗」ファンなのはよくわかりました。