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王様の耳はロバの耳

万感の * 第五幕−2

赤ちゃんを抱くヒロくんがあまりに素敵なパパすぎて、
あ〜、あの赤ちゃんになりたい! (^o^)

そう願った方も多いと思うんですが(!?)
今日は登場しない感じでしょうか。

ロケや番宣も、プライベートも充実しているようですが、
次の新しいお仕事が何になるのか、早く知りたいです。

で、私としてはインタで旬くんが
「もし次があるなら舞台か、大河でお願いします」
と言っていたみたにさんとのお仕事はもういいのですが、 (^_^;)

旭山動物園があるっていうことは、
その局でのお仕事なんでしょうか・・??

ところで、こちらの「はる」さんとも、 ↓
落ち着いた夫婦役ができそうですね (*^^*)

かつて女子高生と研修医として儚い恋人だった二人が、
こんなにも大人になったなんて、感慨深いです!

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さて、いよいよラストシーンです。

神回の日には、私はこのあたりから涙がボロボロ頬を伝って、
カテコの時には、もうぐちゃぐちゃの顔でした (^_^;)

 * * *

「・・所詮、ただの絵です」
そのケンの言葉を聞いて、ついにロスコは決意します。

シーグラムの代表に電話をかけ、
あんなレストランに絵は渡せない、と断ります。

ロスコが受話器を置くやいなや、
ケンは、感極まって、

「それでこそ、ロスコだ!」
「・・金持ちになりそこなった」
「人は金では裕福になれません」
「少しはなれる」

ケンは陽気に笑いながら、手を打って、
「よ〜し、今日は記念すべき日です、お祝いしましょう!」

しかし、耳を疑う返事が返ってきます。

「クビだ」
「え?」
「お前はクビだ」

唖然とするケン。

「どうして?」
「どうだっていい」
「よくない!・・理由が欲しい。」

ロスコはケンに目を合わさずに、言い逃れようとします。

「お前はいつもそうやって理由を欲しがるが、
 私がそれを与えてやる義理はない。
 ・・・
 7歳の時から自分のおうちを探していたんだろうが、
 ここはお前の家じゃないし、私はお前の父親じゃない。

 お前の父親は死んだんだ、そうだろう?」

いつものような、ロスコの毒のある言葉に、
ケンは憮然としながらも、引き下がりません。

「なるほど? フロイト博士。
 でも、それじゃあ説明不足です。どうしてなんですか?」

「もうアシスタントなんていらないからだ」
「嘘だ」
「お前のおしゃべりにうんざりしたからだ」
「お互い様だ」

頬を膨らませて抗議するケンは、
第四幕のようにロスコに対する気持ちが冷えているのではなく、

その愛情を信じているからこそ、
拗ねている子供のようです。 (*^^*)

「お前の趣味が悪いからだ」
「嘘だ」
「お前に飽き飽きしたんだ」
「嘘だ」

押し問答でも折れないケンに、ついにロスコは叫びます。
閉ざされた窓の外を指差して。

「お前のいるべきところは、あそこだからだ!」

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はじめてその言葉を聞いた時、
なんと胸を打たれたことでしょう!

それまでずっと、ケンのことを一人前には扱わなかったロスコ。

第四幕でようやく「存在を認めて」くれたけれど、
ここで初めて、ロスコがケンの将来を思ってくれた。

「いいか、お前はもう私と一緒にいる必要はない。
 同時代の仲間を見つけて、自分の世界を作っていくんだ。

 真ん中に向かって歩いて行け。
 拳を振り上げて、見せつけてやれ!」

そして、親しみをこめて肩をギュッとつかみます。

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公演後半では、
下塗りをしながらケンの背に手をかける日もありましたが、

ほとんどの公演では、このシーンまで、
ロスコがケンと親しく触れ合う場面はなかったんです。

ケンもタバコやタオルも手渡しでなく、投げて渡すし、
ロスコは最後までケンという名前は呼ばないし、

ヌードルのカップを手渡したことはあったけど、
触れたといえば、引きずり倒した時くらい (^_^;)

それが、万感の思いを込めて肩を握り、
いえ、千秋楽では抱き寄せさえして、

はなむけの言葉を贈ってくれたロスコ。

見ている観客も、
そして前楽からは旬くん自身も、

涙が止まらない場面でした。 (T_T) (T_T)

そして、ロスコは静かに続けます。

ー自分たちが若い頃は、何もなかった。
金もなく、画商も、コレクターも、批評家もいなくて、独りだった。

でもそれは素晴らしい時代だった、
失うものは何もなく、これから得られるものだけを、夢見ていた・・

ケンはロスコの真意を知って驚き、胸を震わせ、
「・・ありがとうございました・・」

と涙混じりに言って、いとまをつげる支度をします。
そして、出ていこうとしながら立ち止まり、振り向きます。

もう一度、ロスコと、
この2年間、二人でともに創ってきた大作を見つめて。

初めてケンが面接に訪れた日のように、
正面の絵をじっと見つめながら、ロスコは尋ねます。

「何が見える?」

静かな、深い、間。

「・・・RED。」

万感の思いを込めて答えると、
ケンはロスコのためにいつものレコードをかけ、

もう一度、出口で振り返り、
決意をこめた表情で去っていきます。

一人残されるロスコ。

オープニングと同じように、タバコに火をつけて、
じっと自分の作品を見つめて、立ち尽くしています・・・

 * * *

ラストシーンに込められた意味を解釈するのは
また後日にさせていただくとして、

このシーンのあとのカテコ。

二人の立ち位置が変わるように、必ず2回は登場するのですが、
必ずロスコが先に立って出てきます。

帰る時も、たとえ旬くんの方が出口に近くても、
必ず待って、年長の田中さんの後に従います。

旬くんの、そういうお行儀の良い所は、
舞台挨拶などでもいつも見られるのですが、大好きです。 (*^^*)

そして、二人並んで、左手を斜めにサッとあげて
上手バルコニーに挨拶。

続いて右手をサッとあげて、
下手バルコニーに挨拶。

この仕草がいつも完璧にシンクロしていて、とてもカッコ良く、
二人がいかに息が合っていたかがわかります。

最後に正面に深々とお辞儀。
いつも旬くんは、ロスコよりももっと深くお辞儀をしています。

緊張した表情でも、堂々として頼もしい姿です。

ただ、前半ではずっとカテコで満足気な笑顔が見れなくて、
まだ納得できないのかな? と思っていたのですが、

私が初めてカテコで旬くんの満面の笑顔が見れたのは、
9月24日のマチネでした。

この日、最後の「RED」の台詞が、
間合い、抑揚、声のトーン、

どれを取っても完璧だったんです!! (^o^)v

最後を締めるたった一言ですから、
本当に難しい台詞です。

ちょっと軽く言ってしまうだけで、
ちょっと早く言ってしまうだけで、

ラストシーンの完成度が違ってきます。

実はこの日、ロスコはカミカミだし、
旬くんも前半は声が上ずって単調で、

珍しくイマイチな出来だったんですが、 (^_^;)

二人とも後半に見事に立て直して、
素晴らしいラストシーンでした!

その御蔭かどうかわからないけれど、
ほとばしるような旬くんの笑顔が見れて、幸せでした〜 (*^^*)


つづく
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by harupyonri | 2015-10-30 18:03 | 小栗旬 | Comments(0)

挑戦? * 第五幕−1

ふっと気を抜くと、
はとやくんを思い出し笑いしてしまいます (^o^)

カッコよくて、可愛くて、そして不憫な、はとやくん。
たった2日の撮影で、けっこう美味しいところをいただいたのでは!?

まあ、映画全体はアレでしたので (^_^;)
リピはしないけれど、

この姿の ↓ 完成披露試写会映像をつけてくれるなら、
DVDはやっぱり買うと思います。

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さて、ようやくREDも最終幕までたどり着きました。

ずっと月イチブログだったのに、突然の更新の嵐で、
皆さま、ドン引きされていることと思いますが、 (^_^;)

良かったら最後までお付き合いくださいね。

 * * *

かすかな光の中、酒瓶を横に、床に座り込んで
自らの大作を見つめているロスコ。

正面席からはその背中しか見えませんが、
バルコニー席から見えたのは、深い絶望の横顔・・

虚ろに口を開き、ゆっくりと後ろに倒れこむ、
その姿を見ただけで、もう、胸が苦しくなりました (T_T)

やってきたケンは、コートにマフラー姿。
シャツも青い無地に着替えています。

ゲネプロや初日は、第四幕までのストライプシャツのままでしたから、
あとから演出が変わったのでしょうが、
ストライプの方が似合っていました (^_^;)

暗くてロスコの姿が見えず、
大音響のレコードの音量を下げていいか尋ねて、

コートを脱いで灯りをつけたところで、
右手を赤く染めて倒れているロスコに気づきます。

「何をしたんだっ!?」と叫び、
驚愕してロスコのもとに駆け寄るケン。

胸に耳を当て、頸動脈と手首に手を当てて、
ロスコが生きていることを確かめ、

「・・絵の具かあ〜!」 

この、ひっくり返った声が、カワイイ (*^^*)

「・・描こうとしてたんだ・・」
「でしょうね! あ〜びっくりした。タオルか何か要りますか?」

ホッとしてタオルを投げて渡しますが、
受け取ろうともせずに打ちひしがれているロスコの姿に、

しゃがみこんで、腕の絵の具を拭いてあげようとします。
まるで、病気の親の面倒を見る孝行息子のようです。

でも、そんなケンの手を振り払い、立ち上がるロスコ。

「行ったんだ・・」
「え?」
「・・フォーシーズンズ・レストラン。」

その一言で、何があったかわかって、さっと顔を曇らせ
曖昧に「・・あぁ、・・」と相づちを打つケン。

「行ったんだ、昨日の我々の楽しいおしゃべりの後に。」
そしてロスコは苦しげに語りだします。

ーー上流階級のための華やかなレストラン。
場違いで気後れする自分。

ワインの銘柄も、フランス語のメニューもわからない、
けれど見栄を張って高価なものを頼む自分に、嫌気がさして。

誰もが自分を値踏みしている、
そして、ぺちゃくちゃしゃべりながら、食器の音を立てて、
動物のようにむさぼり食っている・・

・・公演前半のケンは、
ロスコのその話を、ちょっと他人事のように聞いているようでした。

でも、後半のケンは、完全にロスコと共感していて、
ロスコの感じた恥ずかしさ、惨めさ、苦痛に、

自分のことのように顔を歪め、苦しんでいました。

シンクロした二人の苦痛が私たちにも伝播して、
胃がきゅ〜っとなるような、二人の迫真の演技!

そしてロスコは泣きそうな声で叫びます。
「そしてそこに・・、そこに私の絵たちは居続ける!」

命がけで絵を描き、そこに真実を探求し続けてきたロスコにとって、
それはなんと残酷なことでしょう。

そここそが、自分の絵のためだけに造られた、
理想の「場」だと信じて2年を費やしてきたのに、

踏みにじられた幻想と、突きつけられた現実。

そして、ケンに問いかけます。
「・・この絵たちは、私を許してくれるだろうか?・・」

そして、ケンは泣きそうな顔で言うのです。
「・・所詮、ただの絵です。」

以前の記事にも書きましたが、
私には、脚本に書かれたこの答えが、理解できませんでした。

二人で魂をこめて創り上げてきた作品を、
「ただの」と言うなんて。

そして、たどりついた一つの解釈が、
ロスコを救うためではないか、ということでした。

自分の魂を、分身を、そんな場所に置くとなれば、
ロスコの精神は耐えられない。

だから、ロスコを救うために、
それは「ただの絵」なのだから、あなた自身は損なわれないのだ、
と言いたかったのではないか、と。

けれど英書を読んでみたら、直訳だと

ーケンはロスコをじっと見つめる、
 まるで挑戦するかのように。
 ロスコは、ケンの視線を受け止める。
 そして・・

と書かれていたのです。

だとすると、そのケンの言葉を受けて、ロスコが
絵をそこに引き渡すことをやめる決意をした流れもわかります。

ケンは「所詮、ただの・・」なんて思っていないのに、
敢えてそう言って、ロスコに最後の決断を促したのでしょうか?

皆さまの感じたこの言葉の解釈、ケンの心情の解釈を、
聞かせていただけたら嬉しいです。


つづく
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by harupyonri | 2015-10-28 16:33 | 小栗旬 | Comments(0)

存在 * 第四幕−4

不憫なハトヤ隊員を、
スクリーンで見てきました (^_^;)

感想その他はまた後日として、
初日挨拶では、無精髭だったようですが、

すぐまた病院ロケもあったようなので、
ヒロくんのその後が気になります。

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でも今日も、
ケンの記録をつづけます。

ケンの感情の爆発が静まるのを待って、
ロスコは口を開きます。

確かに自分は、自分の作品がどう見られるのかが不安で仕方ない。
でも、今度の連作は、互いに共鳴し合い、助けあうはずだ、と。

何より、この連作のためだけに作られた「場」に
それらは飾られるのだから、と・・。

「瞑想の場?」
「そう。」

「他に何も介在しない?」
「そう。」

「神聖な?」
「そう。」

「神殿のような?」
「そう。」

恍惚とした表情で肯定するロスコの背中に、
ケンは冷ややかな声で言い放ちます。

「・・フォーシーズンズ・レストラン。」
「・・・」

こわばるロスコの表情。
ケンは諦めたように、つづけます。

「アンディ・ウォーホルなら、ジョークぐらいわかってくれる。」
「・・・」

「お前はわかってない。」
「大金持ちのためのレストランですよね、わかってます。」
「いや、私の意図は・・」

弁明しようとするロスコに口を開かせず、
ケンは責め立てます。

「あなたは、コマーシャリズムは否定しながら、
 でも金はもらう!

 瞑想の場を作っているのだ、と自分を騙しながら、
 富裕層のダイニングルームの壁をせっせと塗っている。

 これらはみんな、世界で一番高価な飾りに過ぎないんだ!」

痛いところをつくケンの言葉に、
ロスコは力弱く反駁します。

「私がなんでこの仕事を受けたと思う?
 ・・・
 お前なら断るか?」
「瞬時に。」
「言うのは簡単だ・・」

そして、今までロスコを憎んでいるかのように
責め続けていたケンの言葉に、

隠し切れない親愛の情が溢れて、
悲鳴のように響きます。

「あなたはもう金だって名声だってあるのに、
 なんでシーグラム・コーポレーションなんかのために
 自分を騙し続けるんですか?!」

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そうです、ケンはロスコを尊敬し、慕っているからこそ、
こんな仕事をしてほしくない、と思い始めていたのです。

けれどロスコは、この連作で、
金持ちどもの食欲を失わせてやるのが本来の目的だ、
と弁明します。

そして、ケンに酒の入ったグラスを勧めます。
驚くケンは、自分の考えが間違っていたのかと迷い始めます。

「すっきりしない。・・・
老いたる獅子はなお吠えて、真実を突き、
ブルジョアに罰を下そうというのか?」

しかし、やはり首を振ります。

「いや、そんなはずはない。
あなたの絵は武器ではない。
あなたはこの絵たちを貶めるようなことはしない・・」

「そうか、最初はそういうつもりだったとしても、
作品が生まれたら、あなたは迷いだしたのではないですか?
それで今、動けなくなっているのではないですか?」

罵倒していたときの乱暴な言葉ではなく、
また敬語に戻って、ロスコを理解しようとするケン。

それなのに、ロスコはまだ強がろうとします。

「いや違う。
私は、これらの絵が響きあう「場」を創ろうとしているんだ。」

虚しく響く、彼の言葉。
けれどしばし黙りこみ、やがて尋ねます。

「・・まだ私は自分を騙していると思うか?
 壮大なる自己欺瞞だと・・・」

ケンは悲しげに目を伏せたまま、答えません。

「答えろ」
「・・」
「答えろ!」

ためらったのち、涙混じりの声で、絞りだすように叫ぶケン。
「はい!」

ついに最後までロスコのあり方を否定してしまい、
悄然と尋ねるケン。

「・・僕は、クビですよね?」

しかし帰る準備を始めたロスコは、きっぱりと言います。
「クビ? いや、今初めて、お前は存在している。」

この言葉に、聞いている私も胸が震えました。
ロスコが初めて、ケンを一人前の話し相手と認めてくれた。

2年間のアシスタント生活の末に、本音を爆発させたのに、
この瞬間が突然訪れて、ケンはどれほど驚いているか。

事実、一人アトリエに残されたケンは、
呆然と立ち尽くしています。

それから、静かにロスコの作品に向き合い、
そこでケンにスポットライトが当たって、暗転します。

この場面で、公演前半ではケンが
床に腰をおろして上手の絵を見つめていたので、

静かに深く物思いにふけるケンの横顔が見えて、
最初はその演出が好きでした。

それが、後半では、立ったまま
正面の絵を見つめるようになり、

客席からはケンの後ろ姿しか見えなくなり、
はじめは残念に感じました。

ところがある日、そのときケンが、
絵を見つめながら、カクンと首をかしげたのです。

その立ち姿が、背中が、
泣きそうなほど私の心をギュッと掴みました!

なんでだかわからない、
ただ、その背中が、ものすごく多くを語っていて。

猫背でもなく、昂然と背を反らしているのでもなく、
ただじっと、静かに、深い愛情を持って、

おそらく、誰よりもその絵たちを理解しようとして、
語り合っている背中。

絵に囁いているかのような、首のかしげ方。

その時にはどうしてだかわからなかったけれど、
その姿が胸を突いて、

その日は、そのワンシーンを見れただけで感激するほどでした!

・・そして今、英書を読んではじめて、
その感動の理由がわかりました。

彼のその立ち姿は、
自分の絵を見つめるロスコの姿とそっくりだった・・

と書かれていたのです。

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ああ、それで。
それであんなにも、ケンのあの後ろ姿が心に残ったのか。

前半の、座って見ているケンは、
まだロスコへの理解に自信がない若者が、
戸惑っているようにも見えました。

けれど、知らず知らずのうちに
ロスコと同じ仕草で正面の絵を見ているケンは、

誰よりも深くロスコを理解し、

そしてだからこそ、ロスコの心情を思って
ともに嘆き、苦しんでいたのだと思います・・

そこに立っているのは、もう無知な助手ではなく、
きちんと見る目を持った、一人前の新人画家でした。

そして、暗転する時の、
ふっとかき消えるようなライティングも、

いつも素晴らしく美しく、
感動を高めてくれました。

旬くんの美しい立ち姿、
黙っていても雄弁な背中、

それがあってこそ、このケンが主役の第四幕が、
美しいエンディングを迎えたのだと思います。

旬くんの演技力と魅力のすべてが、
昇華したようなこの幕を見れて、

本当に幸せでした・・ (*^^*)


つづく
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by harupyonri | 2015-10-26 18:11 | 小栗旬 | Comments(0)

爆発 * 第四幕−3

号泣することがわかっていたので、
今朝から大笑いする気にはなれず・・

チケットは取りませんでしたが、
今頃、楽しい初日舞台挨拶でしょうか。

それにしても、キーマン、ってどういうこと!?

あれだけ綺麗に終わったのに、
また後半でさくらと絡む状況が思いつきません。

「やっぱりこの子を産ませなければ良かった」
と悩むことしか思いつかないのですが、

あんなに優しいヒロくんがそんな風に思うような展開は、
避けてほしいなぁ・・(T_T)

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どんどん忘れてしまいそうなので、
今はとにかく、REDの記録をつづけます。

 * * *

「僕が画家だと知っていますか!?」
悲痛な声で問いかけるケン。

しかし、木枠を脇に運んで行く彼の背に、
ロスコは残酷な言葉を返します。

「お前はただの従業員だ。私のためにここにいるんだ。
 それが嫌なら辞めればいい。」

一瞬ビクッと足を止めるケン。
しかし、そのまま憮然と木枠を片付けるのですが、
戻ってくるケンに、ロスコはさらに追い打ちをかけます。

「それがこの茶番の理由か。
 パパに頭を撫でてもらえなかったから、傷ついたのか?
 ママに抱きしめてもらえなかったから、泣いているのか?」

顔面蒼白で「やめろ・・」とつぶやくケン。

トラウマの記憶が蘇ったのか、
生い立ちを語った時のように、手で耳や頭を押さえます。

「私を責めるな。私がお前の両親を殺したんじゃない。
「やめろ!」
「さっさとセラピストでも見つけて、私に泣き言を言うのはやめてくれ。
 私に甘えるな。うんざりだ」

なんとむごい言葉でしょう。 (T_T)

いくら高尚な芸術家だって、
人として言ってはいけない言葉がある。

売り言葉に買い言葉とはいえ、
ケンよりずっと大人のロスコは、冷静であるべきなのに・・。

ケンは憤怒に燃えたギラギラした目で、叫びます。
「うんざり?・・こっちのセリフだ!」

ここからは、まるで日向徹が
ネクストイノベーションを追い出される時のようです。 (*^^*)

旬くんの長台詞が、ほとばしるように溢れでて、
彼の演技の真骨頂です!

ーあんたは毎日毎日、ベラベラしゃべりつづけて、
ーあんたは見ているだけ、待っているだけ、
 まだ見る、まだ見る、もっと見る、何週間も見てるだけ、

ーあんたほど、自分を特別なものに見せたい人間はいない!
ー誰もがいつも、腸を引きずり出されるような芸術を求めてるわけじゃない、
 風景画やスープ缶に癒やされたい時だってあるんだ、

ー窓を締め切った、この潜水艦のようなアトリエにこもって、
 なぜなら、「自然の」光なんてあんたには不十分だから!

そう言って、これまで他人やポップアートを見下してきたロスコを、
罵倒し倒します。 (^_^;)

ケンの叫びに、どこか思うところがあったのでしょうか、
ようやくロスコは揺り椅子に座り、ケンの言葉に耳を傾けます。

ー美術館も、画商も、収集家のことも批判して、
 いったい誰ならあんたの絵を持っていいんだ?

そして、もう泣きそうな声で尋ねます。

ーいや、本当に聞くべきはこうだ、
 いったい誰なら、あんたの絵を見ていいんだ!
ーあんたにとってはすべての人間が、
 「己を知れ、お前に才能はない。」・・そうだろう!?

ーあんたはもう、自分の絵を理解できる者なんていないと思ってる、
 希望を失って、・・ブラックがレッドを飲み込んでしまったんだ。

そして、揺り椅子に座るロスコの前に歩み寄ります。

ーだから、あんたを理解できる本物の人間が、
 たとえ目の前にいたって、気づかないんだ!!

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この場面、最初の頃は、この写真のように
指をプルプルと震わせてロスコに突き付けていて、

ただじっと見つめ返すロスコの視線に言葉を失い、
「・・もういい・・」とその指を下ろす演技でした。

その方がわかりやすくて好きだったのですが、

後半から千秋楽にかけては、
両腕を垂らしたまま睨み合っていました。

そうすると、「もういい・・」と言うタイミングが難しく、
かなり長い間があってから、ケンが踵を返す感じでした。

怒りとともに叫び続けた旬くんが息を整えるのに、
それだけの時間が必要だったのかもしれませんね。 (*^^*)

そしてすごいのは、この長台詞を
旬くんが一度も噛まなかったことです!

実は私は10回以上、舞台に通いつめてしまったのですが、(^_^;)
ロスコは2回ほど、噛みまくりの日がありました。

でも旬くんは、あったとしても1回くらい噛みかけるくらいで、
初見の人なら気づかない程度。

「出口はあちらです」を、「退場はあちらです」のように
台詞を一言間違えることが稀にありましたが、
これも自然につながって聞けるので、大丈夫でした。

とにかく、この第四幕の、感情を爆発させる時の台詞は、
もう演技ではなく、旬くんがケンになりきっている魂の叫びで、

本当に素晴らしかったです!! (^o^)v


つづく
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by harupyonri | 2015-10-24 12:20 | 小栗旬 | Comments(0)

渇望 * 第四幕−2

すたあ千一夜はおかしかったですね (^o^)

私は初めて見たので、最初は趣旨がわからなくて
(エンケンさん、浩市さんにコントさせられてたのか)
なんて思っていました (^_^;)

そして、子供の頃、毎日のように映画DVDを見て育ったのに、
旬くんが「禁じられた遊び」を知らないなんて変だな〜?
といぶかしみ、

ダンサーのくだりで、ようやく状況がわかりました (*_*)

「禁じられた遊び」については、瑞稀がいたら
「さえね〜返しだな!」って言われそうな、
しどろもどろのトボケようでした。

きっと、知っているからこそ、
知らないふりをするのは難しかったんでしょうね。

その分、ありえない「ダンサー志望」「ミュージカル」
「小栗ステップ」の話になったとたん、

水を得た魚のように、ノリノリでしたね〜 (^o^)

そして、あそこで立って見せた三揃いスーツ姿の、
なんとカッコよかったこと!

三谷さんが、立ち姿の美しい人をハトヤ隊員役に選んだ、
というのも、さもありなん。

ボックスステップも、小栗ステップ(?)も、
そしてオズのライオンがばあっと出てくるところも、

スタイリッシュで、かわいくて、最高でした! \(^o^)/

ただ、やはり私は三谷流のああいう笑いは、
それこそ、ロスコが見たら怒り狂う(?)、

ポップアートな作品だという気がします。

ロスコの思う「真剣な芸術」、旬くんにとって
それは、蜷川さんの舞台ではないでしょうか?

ケンは最後に、新しい芸術の創造へと送り出されましたが、
旬くんは、また巨匠のもとに戻って行って欲しいです・・。

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第四幕のつづきです。

ロスコに引きずり倒され、床に突っ伏していたケン。
けれどもう、ロスコの怒りに怯えることなく、言い放ちます。

「・・キュビズムの画家たちも、同じことを言ったんでしょうね。
 あなたたちに、死に追いやられる前に。」

ゆっくりと立ち上がり、木枠を立てて支えます。

その枠組がまるで額縁のようで、
ちょうどケンの上半身を切り取って、

これもまた、絵画のような端正な美しさです! (*^^*)

「生きているうちに、余計な存在になることは見苦しい。
子は父を追放して育つ。 敬愛する、だが殺す。

 ・・・あなたの言った言葉です。

 あなたたちは楽しそうに、キュビズムやシュールレアリズムの
 画家たちを追いやったのに、
 いざ自分の番が来たら、しがみついている。

 さあ、ロスコさん、出口はあちらです。
 今や現代抽象主義は、ポップアートに取って代わられたんだ。

 僕ができることは、あなたより慈悲深い神に祈ることだけ、
 神様、どうかロスコさんを、威厳をもって退場させてください!」

そう言って舞台裏への扉を指し示す時、
かつてのオドオドした猫背の新人の姿は微塵もなく、

昂然と頭を挙げて、堂々と立っています。

旬くんの立ち姿の美しさは、
そのまっすぐに伸びた背筋にあると思うのですが、

こういう時の姿勢の美しさには、惚れ惚れします (*^^*)

「考えても見ろ。
 滅び行く世代がそこにしがみついているのは、惨めだ。

 ・・心配しないで。
 あなたは、商売のための絵は描き続ければいい。」

ケン自身だって、ここまで言うつもりはなかったろうに、
もう、だれもケンの言葉の刃を止めることはできません。

ロスコは唸ります。
「お前、よくも・・」

そしてここからが、私が初日に心を鷲掴みにされた場面です。

木枠を両手でつかみ、ロスコから眼をそらしたまま、
唐突に尋ねるケン。

声は怖いほど静かですが、
ケンの心の悲鳴が聞こえるようです!

「僕がどこに住んでいるか知っていますか?」
「何だと?」
「アップタウン?ダウンタウン?ブルックリン?」
「知らん」

「僕が結婚しているか知っていますか?」
「??」
「僕は結婚している?恋人はいる?ゲイ?それとも・・」
「知らん。何だってそんなこと・・」

「僕が画家だって知っていますよね。」
「・・たぶんな。」
「答えて! 僕が画家だって知っていますよね!!」

2年間(そう、ここで初めて、もう2年が過ぎたことがわかります)、
週5日、毎日8時間、一緒に仕事をしてきたのに、

自分のことを知ろうともせず、家に招いてくれたこともなく、
従業員として以上の関心を見せてくれなかったロスコ。

ケンはロスコを師として慕っていたはずです。
尊敬もしていたはずです。

そしておそらくは、自分にはいない父親的な存在であることを、
少しは夢見ていたはずです・・ 

だから、ケンのこの悲痛な問いかけが切なくて、

旬くんは涙は見せていないのだけれど、
ケンの心が血を流しているのがまざまざと感じられて、

胸が痛くて泣きそうでした・・ (T_T)

ロスコに存在を認めてほしい、
師匠として、弟子への愛情を見せてほしい、

そういうケンの狂おしいほどの渇望が突き刺さってきて、
これはある意味、愛の告白だと思います。

それなのに、ロスコの答えは、
ケンの気持ちをズタズタに踏みにじる残酷なものでした・・


つづく
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by harupyonri | 2015-10-22 17:54 | 小栗旬 | Comments(0)

残酷な * 第四幕−1

ヒロくん、ハトヤ隊員、そしてサブローと、
こう次々畳み掛けてこられると、

気持ちがざわついて、落ち着きません (^_^;)

ドラマ版は脚本がダメダメで納得できなかったんですが、
映画版は、予告だけで破壊力バツグン!?

だって、花沢類の声でしたよね、
「あげよっか、結婚式。」 (*^^*)

あのヴェルベット・ヴォイスは、ずるいです〜。

そして、この表情!
この眼を見るためだけにでも、映画館に通いつめそうです。 (^o^)

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舞台の記憶のつづきです。

第三幕のあと、ケンは一人で大きな絵をいくつか表に返し、
作りかけのキャンバスの木枠を床に置きます。

それから、季節と時間の経過を示すために、
棚に置いてあった長袖シャツを羽織ります。

この長袖シャツ、白地に薄い緑か青のストライプなんですが、
丈が長めで、旬くんのお尻まで隠れる長さで、

シンプルなのに、すっごくカッコイイんですね! (^o^)

スリムなのに肩幅はしっかりとあって、
足の長さが強調されて、

毎回、惚れ惚れと見ていました。 (*^^*)

旬くん、雑誌取材などでは、結構強烈な(?)
他の人では着こなせないような柄の衣装を着ますが、 (^_^;)

そんなものより、こういうシンプルなシャツ1枚で、
誰よりもカッコよくなれると思います。

さて、話がそれましたが・・

 * * *

ジャズを聞きながら、一人で木枠を作っているケン。
口笛を吹き、親指を鳴らして、いかにも現代の若者風。

(旬くん、ダンスステップだけはやめてね・・)と、
ヒヤヒヤ見ていたのは、内緒です (^_^;)

枠を水平にするため(?)木槌でコンコンと打つ時、
左側は左手で、右側に当て木を滑らせてからは右手で、

両手使いで木槌を使える器用さは、
さすが旬くんです。

でも、黙々と作業をする姿に笑顔はなく、
ロスコが入ってきても振り向かず、挨拶もしません。

しかし、ロスコが語気も荒く
「これは殺人だ!奴らは私を殺そうとしているんだ!」

と叫ぶと、さすがに驚いて立ち上がります。

自分の絵が展覧会でポップアートと並べられていたことに
怒りと悲嘆をぶちまけるロスコを見て、

(なんだ、そういうことか・・)みたいな表情で、
無言でまた仕事に戻ります。

すると、流れているのがジャズであることに気づいたロスコが、
「なんだ、この曲は!?」と怒ります。

家賃を払う者だけが曲を選ぶ権利がある、と言われて、
また無言でレコードをはずすケン。

反論しても無駄だとわかっているのでしょう、
かつての無邪気な若者の陽気さはありません。

「で?・・どうだったんですか、展覧会。」

そう尋ねる声も、ちょっと冷ややかです。
(公演前半は、親愛感が出ている日もありましたが。)

若い画家たちが私を殺そうとしている、と言いつのるロスコに、

「ジャスパー・ジョーンズが? フランク・ステラが?
・・・ アンディ・ウォーホルが??」

と畳み掛けます。
ぐっと黙りこんだロスコに、

「なんだか、年寄りみたいですよ。」
「私は年寄りだ。」
「それほどじゃありません。」
「今日は年寄りなんだ・・」

少なくとも、自分と同世代の画家たちは、
真剣であることの重要性をわかっていた、と言うロスコに、

ケンは背中を向けてしゃがみこんだまま、
きっぱりと言います。

「・・言い過ぎです。」
「何だって?」
「聞こえたでしょう?
 彼らが真剣ではないと言うんですか?」

反抗心を隠そうともしないケンに、驚くロスコ。

「奴らの作品を見てみろ」
「見ました」
「見たって言ったって、またいつもの美術学校生のような・・」
「見ました!」

ロスコの言葉を遮るケン。

「そこに何があった?」
「もういいです。」
「よくない。彼らの作品に、何が見えた?」
「今、です。今、この瞬間。・・そして少しの明日。」

そう言って、ケンは少しだけ、明るい表情をします。

けれどロスコは、それこそがポップアートの問題点なのだ、
とまくしたてます。

「彼らが描くのは、今、だけだ。
・・100年後にアンディ・ウォーホルが
 ブリューゲルとフェルメールの隣に並んでいると思うか!?」

「でも、今はマーク・ロスコの隣に並んでいる。」

残酷な言葉です。

それは商売優先の画商どもが悪いからだ、と言うロスコに、

「飽きませんか?毎日毎日、同じことを言って。
 あなたは野蛮人が門を叩いているのを知って、恐れているんだ。」

その言葉は、ロスコの怒りに火をつけます。

「あれもこれも、何でも、いいね!という今の奴らはどうだ?
 かわいい! 綺麗! いいね!・・全てがそれだ!
・・・
 言っとくが、何一つ良くない!!!」

全力で喚いて、ノシノシと舞台を歩きまわり、
嘆き、怒り、吠えるかのようなロスコ。

自らの絵に向き直り、

「この絵はどうだ?
 ・・当惑している、困っている、嘆いている、・・少しも良くない!

 この絵を見ろ!!
 これは扉、これは裂け目、これは開いた口、・・
 けれども永劫不変の何か、汚らしいが真実があるんだ!」

そういうようなことを叫ぶと、
絵に背を向けたまま木枠に向かっているケンの襟首をひっつかみ、
引きずり倒します (T_T)

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初期の頃は、その場に打ち倒すくらいでしたが、
以前も書いたように、

後半では旬くんを数mも引きずって、
旬くんは苦しそうにバタバタもがき、
Tシャツのエリもよれよれになるくらい激しくて、

特に、前楽は最長記録(!?)で、
木枠の2辺分(4m位?)を引きずっていました (T_T)

引きずられ、床に倒れたまま、しばらく動かないケン。
時としてシャツが背中までまくれ上がり、

きれいな腰が見えますが、 (*^^*)
そのまま身を固くしています。

旬くんの凄いところは、倒れていても演技していること!

そこまで激しいロスコの怒りに驚きもあっただろうに、
決してそれに負けていない。

ぐったりと倒れて力を抜いているのではなく、
起き上がって反撃する前の怒りとパワーをためている。

決して感情的に流されず、
今までずっと貯めこんできたであろうロスコへの批判を、

理論的に展開すべく、気持ちを落ち着けている。

第二幕で、うっかりREDと口を出して怒られて、
絵の具を投げつけられて床に倒れた時の、

オドオドとした頼りない姿とは、別人です!

そしてここから、いよいよ
ケンの激情がほとばしる後半戦です・・


つづく
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by harupyonri | 2015-10-21 09:44 | 小栗旬 | Comments(0)

全否定 * 第三幕−4

やはりね、旬くんがスーツを着ているだけで、
「普通の男」ではありえない気がします (^_^;)

こんなサラリーマンが街を歩いていたら、
思わず振り返りますよね! (^o^)

ロケの目撃によると、
次回(?)は普段着のヒロくんも登場するようですが、

奥さんが心配で、明るい色の服なんか着られない様子なら、
それもまた、切ないです・・ (T_T)

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そして、たった2週間前に終わったばかりなのに、
もう、すごく遠く感じてしまう、ケンの記憶のつづきです。

もしかして、すでに記憶違いもあるかもしれませんので、
何か気づいた方は教えていただければ嬉しいです。

 * * *

壮絶な、ケンの生い立ちの告白。

英書には、
ーーロスコはケンを慰めようと考えたけれど、そうはしなかった。
と書いてありますが、

ロスコがロシア時代のコサックの蛮行の話をしたとき、
私は、ケンを慰めようとしているのかな? と思いました。

そして、ロスコの出自の話でケンも気分が変わり、
舞台では、ここでケンが赤く染まったTシャツを着替えます。

初めの頃、旬くんはけっこう時間をかけて、
舞台の中央の方まで出てきて着替えていたので、

綺麗な体幹がよく見えて、眼福でした (*^^*)

前から見ても、バルコニーから背中を見ても、
よく引き締まった姿が美しかったのです。

でも、後半に入ってからは、
上手奥の棚のあたりでササッと着替えてしまい、
あまり身体を見せなかったような気がしました。

これは私の考え過ぎかもしれないのですが、
ある時、ある有名な芸能人の方がブログに感想を書いて、

ロスコの演技のことは褒めたのに、ケンのことは
「まわりの若い女性が小栗くんの裸にハアハアしていた」
としか書かなかったんです。

著名な方なのに、
随分と残念な見方しかできなかったんだな、と思いました。
(ウケ狙いで書いたとしても、ちょっと失礼ですよね。)

確かにロスコは圧倒的な存在感で、台詞量もすごいので、
台詞を追って見ていたら、ケンは目に入らないかもしれません。

ロスコの話を聞いている、受けの芝居が多いけれど、
その時に旬くんを見ていれば、

どれほど繊細で、自然で、表現豊かな演技をしていたか、
わかるのに・・。

もしかして、そのブログの内容が旬くんの目にも入って、
そんな見方ばかりされないように、
露出を最小限にしたのかな?

・・そんな、うがった見方をしてしまいましたが、
真相はわかりません。 (^_^;)

そしてここから、とても大事な芸術談義が始まります。

「聞いてもいいですか?
 ブラックが怖いって、本当ですか?」
「いや、私が恐れているのは、光が消えることだ。」

「盲人のように?」
「死者のように。」

「そして、ブラックは死の色ですか?」
「誰にとってもそうだ。」

そして、
「これを言ったら怒られます」とためらいながら、

ブラックを死のイメージとするロスコを、
ロマンチックすぎる、黒もただの色だ、と批判します。

ロスコはケンだって白から死をイメージすることをあげて、
お前も自分の過去の体験を利用して絵を描けばいい、
とけしかけます。

純粋なケンはそれが許せず、
二人の激論はどんどんヒートアップして・・

「僕は個人的体験から芸術的要素を立ち上げたりしない!」
「すればいいじゃないか、怖がっているのでないなら。」

「僕は怖がっているんじゃない、
 それじゃあ自己陶酔でしかないからだ。」
「・・では、私はありきたりで、自己陶酔していると?」
「残念ながら!」

そして、ついにケンは、言ってはならないことを口にします。

「いいですか、画家は老いて、弱っている。
 ブラックが彼の絵を侵食し始めている。

 彼は打ちひしがれ、死を恐れ、・・
 さよならを言っている。」

そして、ゴッホやマティスが、
死の直前まで彼ららしく鮮やかな絵を書き続けたことを、
褒め称えます。

でも、本当はケンはロスコが大好きなんだと思います。

だからこそ、力を無くしているように見えるロスコがもどかしく、
ロスコらしいREDを描きつづけてほしいと願っているのです。

しかしロスコはケンの言葉に怒り、激しく罵倒します。
今にも掴みかかりそうな勢いで、ケンにツバを飛ばして・・

「お前の思春期らしい浅い分析で彼らを貶めるな!
 ・・・
 お前は彼らと肩を並べることなど、到底できない。
 お前は彼らの足元にも及ばない!!」

そうです、ロスコの言うことはもっともなことかもしれません。
でも、自分の才能を全否定されて、

怒りに震えるケンの蒼白な顔・・

この場面の二人の迫力はものすごく、
本当に憎しみ合っているかのようで、

怒りを押し殺すケンの息遣い、
今にもブチっと切れそうな血管の脈打つ音まで、
聞こえてきそうな、見事な演技です!

悔しさをグッとこらえて、氷のような声で、
「・・コーヒーが切れています。買ってきてもいいですか?」
と、憮然として出ていこうとするケン。

しかし、ロスコはさらに追い打ちをかけるのです。

レンブラントの絵に書かれていた、ヘブライ語の文字。
「己を知れ。お前に才能はない。」

さすがに怒りに震え、睨み返すケン。
けれどその言葉はケンを罵倒したものではなく、

「・・・それが私にとってのブラックだ。
 お前にとっては、何だ?!」

そして舞台は暗転します・・

 * * *

このできごとが、
ケンの心がロスコから離れていくきっかけだったかもしれません。

しかしロスコにとっては、ケンを否定することが目的ではなく、

自らの芸術を追求すること、
迫り来るブラックに抗ってもがきながら、REDを描き続けること、

そのことの意味を再確認したできごとなのかと思います。

ケンに教え、批判され、論破し、内省することで
自らを見つめざるを得ない大家の心中は、

これもまた、苦しかったのだと思います。

この第三幕、
演じる旬くんにとっては、感情の起伏がものすごく激しくて、
本当に消耗する役だったと思います。

ロスコはもちろんのこと、旬くんも
この素晴らしい緊迫した場面を見事に演じきってくれて、

何度見ても、胸をグサッと刺されるような痛みとともに、
忘れられない幕となりました・・。


つづく
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by harupyonri | 2015-10-19 12:10 | 小栗旬 | Comments(0)

壮絶な * 第三幕−3

「もしもし、ヒロくん?」

そこからの数秒をリピするだけで、号泣しそうなんですが、
来週はどうしましょう?

今まであまりなかった「普通の男性の役」、
確かにそうです。

旬くんの役が彼女から「◯◯くん、」と愛しげに呼ばれた記憶、
あまりないんですよね〜 (^_^;)

いつも、「奏・・!」と呼び捨てにされるような厳しい関係か、

もしくは「日向さん」と呼ばれるような、
一歩ひいた間柄のことが多かったような・・。

あの夫婦の何気ない会話だけで、
奥さんには甘えているんだろうな、という雰囲気が出ていて、

どれだけラブラブか、(←死語?) (^o^)
赤ちゃんができてどれほど幸せか、それがにじみ出ていて、

旬くん、これなら普通のラブストーリーだってできるじゃない!

・・でもそうはならないのが今度のドラマ。

涙で何もかも忘れてしまわないうちに、
ケンの記憶を書き続けたいと思います。

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下塗りの出来栄えに満足して、モップで床掃除をするケン。
塗ったばかりのキャンバスの前で、ハッと足を止めます。

英書では、ここで
「思いがけず、ケンの瞳に涙がにじむ」と書かれていますが、

舞台ではケンは後ろ姿だったので、
旬くんがどう演じていたのかわかりませんでした。

その気配に「どうした?」とロスコが尋ねても、
「何でもありません・・」と言いよどむケン。

でも再び問われて、

「思い出したんです・・、この暗い赤。乾いた、血の色・・。
 血は乾くと色が変わるなるなんて、知らなかった・・」

そして、話したくない、思い出せない、と言うケンに、
ロスコは無情なまでに「そんなはずはない」と繰り返します。

ここからの、ケンの生い立ちの告白が凄いです!

7歳の時に、両親が強盗に刺殺された、と。
雪の朝、音のしない家の気配、廊下に立ち尽くす妹。

「最初に見えたのは、窓の外の雪でした。
 嬉しかった、ソリができると思って。

 だけど変だった。何の臭いもしない。
 そして寒かった、・・どこかの窓が開いているんだ。・・」

音楽は消え、
下塗りしたばかりの真っ赤なキャンバスの前に立ち尽くすケン。

当てられるスポットライトは徐々に閃光のように真っ白になっていき、

赤絵の具で顔もTシャツも汚れたままのケンが、
まるで血まみれのようです。

気のいい青年に見えていたケンが抱える、壮絶な過去。
そして旬くんの語りが、観客の心を鷲掴みにします。

・・この語りですが、
実は初日はちょっと残念でした。

正確に演じきるのに精一杯だったのか、
これだけ悲惨な話を、わりとあっさり語ってしまった気がしました。

でも、その後はすぐに修正されて、
語り口だけで場の空気を支配するようになりました。

やがて、見ているこちらが心配になるくらい、
トラウマに震えるケンになっていって、

虚ろな目、自分の身体から首から耳を手でかき抱き、
頭を抱え、わなわなと震えながらの台詞に、

もう、息も止めて見入っている自分がいました!

直前の下塗りでかいた汗なのか、それとも本当の涙なのか、
ポタポタとしずくが落ちます。

「僕は、何をしたらいいのかわからなかった。
 ただ見ていた・・

 僕は・・、これ以上妹に見せちゃいけないと思った。
 妹を連れだしてドアを閉めた、

 そのドアのノブが、・・血で赤かった」

そう言って、振り向くと真っ赤なキャンバス。
そこで、我に返るケン。

旬くんの演技は、大抵は
20代のケンが、当時の記憶を思い出して語っている凄惨さを
表現して素晴らしかったのですが、

時々、本当に凄い時には、
声も仕草も、7歳の子供そのもののようになっていました!

今、まさに火の消えた家の中で戸惑い、
ソリができる、と思いながら両親の部屋を見てしまい、

その驚愕、呆然自失、何が起こったんだ、
血だ、ベッドにも、カーペットにも、壁にも血だ、

血って乾くと色が変わるんだ、
こんな暗い色になるんだ、

どうしたらいいんだ、妹に見せちゃいけない、
パパもママも死んでいる、血だ、ドアにも血だ・・

この舞台は、今まさに7歳のケンが立ち尽くしている廊下で、
そこにいるのは小さな震える少年で、

ケンが旬くんに降りてきた・・

そういう回が時々あって、
本当に、お芝居というものの凄さを実感しました!

・・・

それからケンは、気を取り直して
またロスコと普通に会話する青年に戻ります。

でも、誰とはわからぬ犯人を、いつか絵に描くのだ、
そういうケン。

「どんな奴だと思う?」 と問うロスコに、
ケンがボソリと答える、

「・・普通の人間・・」
その答えが、とても怖かったです。

異常者ではなく、ごく普通の人間が犯罪者になりうるということ、
ある日突然そんなことが起こるという不条理、

人間というものの深層の恐ろしさ、
・・それを体感してしまっているケン。

だからこそ、心癒されるポップアートに惹かれる方がいいんです。

ロスコが求めるような、いつもいつも腸をひねられるような
そんな絵画の見方をしていたら、

きっとケンの精神が持ちませんから・・。

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そして、ヒロくんはどうなるんでしょう?

ケンの両親を襲った突然の強盗のように、
妻に襲いかかった交通事故。

今回のドラマでは、妻を救うか、赤ん坊を救うか、
ということがテーマなのでしょうが、

現実世界なら、相手もわかっているのですから、
その犯人を憎み、恨み、苦しむことにもなるはずです。 (T_T)

ヒロくんの着るスーツの色が、だんだんと濃くなって行って、
最後には喪服のような黒になり、

そして・・
なんていうことはないはずですが、 (^_^;)

頭の中の銃弾を取り出した時に全てを忘れた安吾くんが、
サラリーマンになって幸せな結婚をして、

自分が殺した犯人(大森さん)にそっくりな小児科医に
自分の赤ん坊を救われて、全てを思い出すのだとしたら、

ものすご〜くシュールなドラマができそうな!?
・・局が違って残念です。(^o^)

安吾くん、タッチャンに続いて、
またハッピーエンドはありえないキャラクター、

おそらくは信長と光秀もハッピーエンドではないでしょうし、
ファンとしては、心が強くないとつらいですよね〜。

そろそろ次あたり、リチプアSPのラストシーンをも上回る、
ベタベタでコテコテのラブコメも見たいで〜す (^o^)/
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by harupyonri | 2015-10-18 00:58 | 小栗旬 | Comments(0)

単発ゲストかと思いきや、
まさかの準レギュラーでびっくりしました〜 \(^o^)/

うーまんの信さんくらいの出番・重要性のキャラなのかな?
シーンは少なくても、印象に残る役であってほしいです。

でも、どうみても安吾くんの生まれ変わり(?)みたいな姿で、
冷静な気持ちでは見られそうにありませんが・・

しかも、はるばる旭川まで行っていた様子もダダ漏れで、
(NHKは野次馬の携帯撮影を規制しないのか??)
さらに楽しみが増えましたね!

でも、まだまだ私はケンが忘れられません!
というわけで、つづきです。

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前楽の夕暮れです。

ロスコにとってのREDは、今まさに暮れつつあり、
やがて漆黒の闇へと飲まれていきます・・

 * * *

真新しいキャンバスの出来栄えに満足し、
「さあ、下塗りをしよう」というロスコ。

英書には、二人は既に何回もこの工程を経験しているので、
熟練の儀式を見せる、と書かれています。

事実、初日から二人の息はぴったり!

2つのバケツを置く位置、
ケンがそこに半分ずつ絵の具を分けるときの注ぎ方、いつも同じ。

ちょっと変わっていったのはブラシの渡し方で、
最初の頃は普通に渡していたと思うのですが、

後半は、手術室でドクターにメスを渡すナースみたいに、
ケンがロスコの手にブラシをパシッと渡していました。

ロスコはキャンバスの下手に立ち、ケンは上手にしゃがみ、

目で開始の合図をするロスコに、
真剣な表情で頷くケン。

今までの静かな曲とは違い、盛り上がる音楽をかけ、
その音の高まりとともに、

100m走でスタートするみたいな勢いで、
真っ赤な絵の具をダイナミックに塗りたくる二人!

ケンはいつも左手に持ったブラシで塗っていましたが、
ロスコは中盤からブラシと素手で塗っていて、
終盤には両手とも素手で塗っていました (^o^)

上部を塗りたくるロスコの絵の具が、
しゃがんだケンの白いTシャツの背を赤く染め、

旬くんの頭・顔・首筋に飛び散り、
最初は驚きましたが、

これは、その後のシーンに必要な演出でした。

だから時々、あまりケンが汚れていないと、
ロスコはわざと絵の具をケンの方に撒き散らせていました(^_^;)

途中で二人が左右の立ち位置を変えますが、
ケンがロスコの下をくぐる動作も、毎回完璧。

そしてケンがキャンバスの左側の側面を塗る時、
音楽に合わせてピョンピョン飛び上がるのが、カワイイ(*^^*)

下塗りはものすごい運動量なので、
二人とも息が上がっていきます。

田中さんは元気な時は右上までグルグル塗っていきますが、
疲れた日(?)は、右上の端をケンに塗らせます。

最初の頃は、役ではなく田中さんのままの様子で、
旬くんに、(あそこ塗り残してる)と
そっと指差して合図していたのですが、

だんだん、ロスコの役のまま、ケンに
「右上!」と大声で指示するようになりました (^o^)

終盤、田中さんは疲れると絵の具まみれの手で
旬くんの背中に手をかけて身体を支えるので、

ケンの背に真っ赤な手形がついてしまうことが
何回かありました。

ただ、この手形があまりにコミカルだと
その後のシーンにふさわしくなかったし、

何より、ここで親しげに身体に手をかけてしまうと、
ラストシーンの感動が薄れてしまいます。

それまでずっと、
もののやりとりも投げて渡すことがほとんどで、
親しく手を触れることがなかったのに、

最後の最後で、ロスコがケンの肩に手をかけてこそ、
感激して涙が溢れてくるのですから・・。

旬くんはといえば、
利き手とはいえ左手一本で塗り続けるのは大変で、

前楽あたりでは左手を動かすために
空の右手も対称的に振っていたので、

ちょっとロボットみたいな動きになってしまっていました (^_^;)

千秋楽ではそれを修正してか、偶然か、
右手にはバケツを持ったまま塗っていたので、良かったです。

塗り終わると後ずさりして出来栄えを見ますが、
この時、ケンは疲れて尻もちをつきます。

これは最初から演出であったのですが、
時には床の絵の具に滑って本当に転んだり、
横に足を滑らせたりしていました (*^^*)

ケンはロスコにタオルを投げて渡し、
自分はTシャツで手を拭きます。

最初の頃は、顔についた絵の具(汗?)を拭くために
Tシャツをまくることがあって、

そうすると、綺麗なおへそと
引き締まった腹筋がチラリと見えて、ドキドキ! (*^^*)

後半、あまり拭かなくなってしまって、残念でしたが、
でも、大仕事を成し終えたあとの充実した顔が、
汗にまみれていても、とても美しかったです。

英書では、ここでケンがTシャツを着替える、
と書かれているのですが、

そうはさせずに、絵の具まみれのままにした
小川演出は最高です!

さて、下塗りをチェックしていたロスコは、ケンに
「うん、なかなかいい。・・どう思う?」と尋ねます。

びっくりしたケン。
口を出して逆鱗に触れた、以前のことがありますから、

「僕ですか!? 僕に聞いてますか??」
と聞き返す、裏返った声が可愛くて、爆笑 (^o^)

「え〜っと、ちょっと待って下さい。
 うん、すごくいいです。なめらかで、均一で・・。」

考え考えしてそう答えてから、聞いていない風のロスコに、
「僕の意見、必要でした?」
「いや、全く。」

そんなそっけない答えにも、
(あ〜、やっぱりね)と嬉しそうに苦笑するケン。

二人の、いかにも息のあったバディ感、
信頼し合った師弟愛が感じられて、

この後の惨劇を前に、
つかの間の幸せな空気が流れます・・


つづく
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by harupyonri | 2015-10-16 09:54 | 小栗旬 | Comments(0)

とあるドラマのゲスト出演ロケを目撃した、
というツイがありましたね!

もしも本当なら嬉しいですが、
新しい役でケンの姿を忘れそうで、気が焦ります。

あの舞台の映像化は、やはりないのでしょうか?

記憶に残るケンの姿、ケンの声。
どうやったら消さずに取っておけるのでしょうか・・

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絵の具の鍋をかき回しながら、
誰かと電話で話しているケン。

自作の絵をロスコに見せられないことを、責められています。

相手は妹? それとも恋人?
うるさくせっつく相手に、

「あ〜もうっ! その言い方、まるであの人みたいだ!」
と怒りながら、

ロスコがやってきた音を聞いて声をひそめ、
「進展があったら報告するから。 祈ってて。」

と慌てて電話を切り、入ってきたロスコに、
ことさら明るい声で「お早うございます!」 (*^^*)

完成間近のレストランを見てきた、とご機嫌なロスコ。

それを見て、自作の絵を持ちだそうかどうしようか、
逡巡する様子がカワイイです。

ただ、このロスコの様子をうかがってためらう演技、
回によってはちょっとオーバーアクションで、

でもあまりに自然な演技だと客席後方からは見えないだろうし、
自然さとわかりやすさと、その匙加減が難しいですね〜。

結局、自分の絵のことは言い出せず、
まずはからめ手から(?)とばかり、

「読みました、ニーチェ。悲劇の誕生。言われたとおり。」
と唐突に言い出す高めの声が、またかわいいんですね。 (*^^*)

まずは本の感想を聞かせろ、と言われて、ただ一言、
「面白かった。」

さあ、感想言ったから早くポロックのことを教えてよ、
といわんばかりの現代っ子ぶり (^o^)

そんな答えじゃダメだ、とロスコにいなされて、
芸術談義に突入です。

知性の神、アポロンがロスコで、
情動の神、ディオニュソスがポロック、

そう簡単に分類したケンをたしなめて、
もっと深く考えろ、と誘導していくロスコは、もうすっかり良き師です。

問答をしながらロスコは自らの芸術論を確かめ、
ケンはそれを深く理解していく。

その間ずっと、キャンバスの布をぎゅ〜っと引っ張っては、
大きなホチキスで木枠に止めていくケン。

その動作がすっかり職人技で板についていて、
しかも力を込める時、前腕に浮き上がる筋がたくましい (*^^*)

やがてロスコはポロックのことを語りだします。

ポロックの交通事故は、緩慢な自殺だ、というロスコに
不満気なケン。

以前も書きましたが、この時、正面奥は真っ黒い壁なので、
ケンがその前に立つたびに、

白いTシャツで、シャープな横顔のスリムな旬くんが
背景から浮き上がるように美しく、

そのスタイルの良さ、顎のラインの美しさ、
ギリシャ彫刻か絵画の中の人物のようで、

本当に惚れ惚れしました〜 (*^^*) (*^^*)

やがて、レコードを選びながら
「私が自殺する時には、疑う余地のない自殺だ。」

と思わず口に出したロスコに、仕事の手を止め、
真剣な顔で近寄ります。

「私が自殺する時?」
「?」
「私が自殺する時、って言いましたか?」
「言ってない。」
「いえ、言いました。」
「聞き間違いだ。」

ロスコの生涯を知らなかった初回は、
普通のたとえ話として聞いていたこの会話ですが、

彼が本当に自殺したことを知った今は、
胸に重く残る言葉でした・・。

ポロックの人となりを話しながら作業は進み、
キャンバスを張り終えて、さあ立てよう、と無言で合図するロスコ。

もう、このあたりの作業の二人のあうんの呼吸が素晴らしく、
できあがったキャンバスを、

「どうですか?」と愛おしげに支えるケンがまた、
頼もしいです。

枠をなで、キャンバスの後ろに回って張り具合を確かめ、
ためつすがめつ、入念にチェックする二人。

その姿を見ているだけでも、
二人が芸術にかける思いの強さが伝わってきて、
心が暖かくなります。

ロスコがひとしきり、
インテリアとして絵画を買うような連中への不平を言った後で、

いよいよ、下塗りです!

つづく
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by harupyonri | 2015-10-13 00:33 | 小栗旬 | Comments(0)