2007年 11月 29日
カリギュラ・最終幕
「Top Stage」と「Look at star」に、カリギュラの舞台記事出ていましたね!
前者は、アクチュールを書いた木俣冬さんの記事でしたが、短いせいか内容も今ひとつだったので立ち読み。「カリギュラ」について「青春暴走ストーリー」とサブタイトルをつけたのはいただけないなあ・・。
「Look at star」は記事もしっかりしていて、写真もとても良かったので即買い!
でしたよ(^_^)v
「週間ザ・テレビジョン」は来週から2週間にわたって小栗旬特集らしいし(情熱大陸のマネ!?)、来週の表紙の「赤いセーター」の旬くんも新鮮(^o^)
両手にレモンを持った指の長さがいいんですよね〜〜(*^_^*)
笑顔も最高だから、来週は絶対にゲットしなくては。
「女性セブン」は私服姿の写真4枚を載せていて、以前にも見たことある写真が多かったけど、舞台がはけて道路に出てきたところの1枚は良かったな(^^)/
どんな帽子かぶっても似合いますよね〜。
最近、旬くんが表紙の「キネマ旬報」が本屋で棚の後ろに隠れていると、さりげなく一番前に並べてくる私です(^^;)
あの目線に見つめられたいっ!!
そして、まだ小栗旬に注目していない人がいたら、気づいてもらいたい・・という布教活動で〜す(^o^)
それではいよいよ、ネタバレ・カリギュラ・最終幕へ参りましょう・・。
ここではまたまた噂の「女装」カリギュラが出てきて、半テンポずれた(?)ダンスを踊ります。
う〜ん、このズレ具合と、「情熱大陸」で口ずさんだ歌の数々が思い出させる中居くん状態が、旬くんがジャニーズに入ろうとしなかったゆえんでしょうか!?
(中居くんは、歌はアレでも、ダンスはうまいもんね。)
それはさておき、その前後のケレアとシピオン、ケレアとエリコンとの対話の中で、印象的な言葉がいくつも出てきます。
エリコンが静かに語る声。「カイユス様には指一本触らせないぞ。たとえあの方の方でそれをお望みだとしてもな・・。」
奴隷出身のエリコンをケレアが見下しているのがありありとわかる対話で、結局は聡明であっても凡庸な安全主義の魂を持った人間でしかないケレアと、身分などは吐き捨ててエリコンと真摯な交流をしてきたカリギュラの魂の純粋さが、対比されて際立ちます。
それから、「カリギュラが病気で死んだ」という嘘でケレアをだまそうとする場面。
セゾニアはケレアに問います。
「あなたは一度でも人を愛せたことがあって?」
・・結局ケレアは、世の多数派、常識人、保守主義者の代表なのでしょう。
そしてむき出しの魂を震わせながら生きるカリギュラは、後世に「狂人」とされて語り継がれるしかないのです。
この最終幕の会話の中で、いかにカリギュラが正気の人か、シピオン・エリコン・セゾニアがいかにカリギュラを理解し愛しているかが伝わってきます。
カリギュラは狂人でも暴君でもない。むしろ誰よりも正気で研ぎ澄まされた魂を持っている。だからこそ死という不条理に眼をつぶって折り合いをつけることができず、のたうちまわって抵抗しようとする。
・・私にはそう思えてなりません・・・。
それからカリギュラは詩人を集めて「死」についてうたうように命じます。
そして皆を下がらせた後、クーデターに参加しないですむようにと旅立つシピオンとの別れの場面。ここからラストまでのクライマックスは、もうかたときも眼が離せず、あふれ出る涙を抑えることもできませんでした・・。
シピオン「さようなら、カイユス様。全てが終わったとき、僕があなたを愛していたことを思い出してください・・。」
そう言って去るシピオンを、走ってまで追いかけるカリギュラ!・・しかし、途中できびすを返します。彼はもうわかっているのです。
そしてセゾニアの元へと帰ります。
しかし狂ったようにぐるぐると歩き回り、話し続けます。
ここは確かに「カリギュラは両手を垂らしたまま、獣のようにぐるぐると歩き回る」と脚本に書かれている通りの動きを旬くんはするのですが、ちょっと動きが一本調子で違和感があり、もう少し違った動作を交えた演出ができなかったのかな・・と気になったところでした。
この時はカリギュラも、いよいよ迫り来る自分の死の時を前に、恐れたり怒ったりと気持ちが大きく揺れ動きます。
そんなカリギュラにかける、セゾニアの言葉の素晴らしさ!!
「あたしはこんなにも心の広い女になってしまった。もうあなたに愛していただけなくてもかまわないほど」
その言葉をうけて、はじめてカリギュラはセゾニアを愛の対象として見つめなおしたように語ります。
「俺は、やがてお前がなる年老いた女に対して、恥ずかしさの混じった一種の愛情を、心ならずも覚えてしまう」・・と。
セゾニア世代(もっと上だけど?)、セゾニア目線の私にとって、このたった一言だけでむくわれる、優しさのこもった言葉です・・。
そしてセゾニアははじめて心の底から「嬉しいわ・・」とつぶやきます。
この時の若村さんの表情の良かったこと!!
しかしカリギュラはセゾニアの首に腕をかけ、己が論理を振りかざし、冒頭の写真のセリフを吐くのです。
そして、「もう時間がない!いとしいセゾニア!!」・・・
カリギュラが愛しながらも(いいえ、愛していたからこそ?)セゾニアを手にかけるこの場面では、会場のそこここからすすり泣きが聞こえ、私も流れる涙を止めることができませんでした・・。
覚悟の上で殺されていったセゾニアを、お姫様抱っこしてベッドまで運ぶ旬くんのカッコいいこと!!
カリギュラにとって、セゾニアへの愛は、燃えるような恋ではなく、長く連れ添った夫婦のような愛情だったのだと思います。
いつもそばにいて、自分を愛していてくれるのが当たり前な女。
最期のときに、はじめてその愛の深さに気づく・・というような。
そしていよいよ迫り来る反逆の徒たちの足音が聞こえます。
その時カリギュラは、恐怖にみまわれて、まるで胎児のように床に丸まって震えます。
暴君であろうとし、狂人を演じてきたカリギュラが、つかの間見せる人間の姿がとても印象深かったです。
表情ひとつ、動きひとつでまるで別の人間であるかのように心情の揺れを表現する小栗旬!!
・・カリギュラの揺れる心の振幅の広さは、役者・小栗旬の演技の振幅によってこそ表現され得たのです。
「今の日本でカリギュラを演れるのは小栗旬しかいない」
そう言わしめたのも納得できます。
しかしカリギュラはその恐怖をすぐに振り捨て、すべて突き抜けたように立ち上がります。
「不可能なこと!それを俺は世界の果てまで探しに行ったのだ!!」
しかし、その前に立ちはだかるのはいつも自分。
エリコンが刺殺されるのを目の当たりにし、カリギュラは鏡に映った自分をたたき壊します。玉座を投げつけて・・・。
初回はその演出も知らなかったので、実際に鏡の割れる大音響に心臓が飛び出すほどの衝撃を受けました!
第一幕ラストで、脚本では「カリギュラは槌で鏡を壊す」とされているのをあえてピンクのスプレーにしたおかげで、ここでの鏡の破壊がとても効果的になったんですね。
そしてなだれこむ貴族達に四方八方から斬りつけられながら、満足げな悦びの笑みを浮かべるカリギュラ。
とどめを刺すケレアの顔に血糊を塗りつけて見せる、壮絶なほほえみ・・。
鳥肌が立ちます。
そして崩れ落ち、虚空をまさぐった後、凄みのある声で叫ぶのです。
「俺はまだ」「生きている!!!」
まだ大阪が丸々ありますけど。
私は残念ながら1回しか観劇できなかったので、WowWow録画して
しっかり反芻したいと思ってます。
ところで情熱大陸中の映像、
同じ箇所を使ってらっしゃるので、
あー、ツボが一緒なんだ(^。^*ゝ
ちょっと感激しちゃいました。
レポ読んでいただいてありがとうございます(*^_^*)
・・そうですね、大阪はどんな感じなんでしょうね。舞台はコクーンより大きいのかな?大千秋楽、見物でしょうね!!
私も行きたかったですよ〜(T_T)
また遊びに来てくださいね!
「私、もういいわ・・」という気持ち、まさにそれですね!!
あ〜、私もあんな風に言われてみたい・・。そしたら、もう何もいりません!
セゾニアの衣装の色には注目していなかったので、kikiさんに言われて、なるほどと思いました!やはり死ぬときには白で良かったです。wowowで見れたら、そこも注目したいで〜す(^^)/
「情熱大陸」の写真が一緒って、嬉しいのですが、どれのことでしょう?
pirocoさんのブログの何日にあるのか教えてください<(_ _)>
なぜか、うちのPCの調子が悪いのか、pirocoさんの19日の記事にどうしてもアクセスできないんですが、そこですか〜(T_T)
是非またコメントお待ちしてます(^^)/
千秋楽の様子、教えてくださってありがとう!!
そうですか〜、蜷川さんも今回の公演には満足されたんですね!!
旬くんも、涙ではなく笑顔だったんですね(^o^)
・・大阪千秋楽では泣くのでしょうか?
それとも、まだまだ次へ向けて羽ばたくための、笑顔なんでしょうか。見れないけど、楽しみです・・。
大東くん、りの君でもクローズでも、若いのに目力があって注目してたので、是非、舞台とかでも共演して欲しいな〜。蜷川さん、眼に留めてくれないかしら??
名前をクリックすると、そこへ飛ばないですか?(T_T)すみません。
こちらのように密度の濃い内容ではないので、
「そうなんだー」くらいでスルーしといて下さい。
それより、お子さんの初恋の話ですが、男の子さんでしたっけ?
どんなお相手なのか、気になりますよね。
うちの息子(小4)は
クローズの源治の顔だけを切り抜きました(x_x)
自分よりパパより、旬くんに夢中の母への報復らしいです。
源治のパンフ、同じの2枚持ってなかったら泣いてました。
ちなみに彼の初恋は堀北真希ちゃんらしいです。
が立っています。そして色々なシーンを思い出しながら涙が出てきました。私も今この暴君カリギュラを演じられるのは小栗旬しかいないって
思います。その演技力と狂気を帯びたあの表情・・・
身震いする程でした。カリギュラがとりついているようでした。
セゾニアとの最後のシーンは何度見ても号泣してしまいます。
セゾニアの深い愛に時に戸惑い、甘え、怒り・・・
カリギュラの深い闇は最後まで晴れず、永遠の孤独を手に入れて
しまうんですね・・・なんだ悲しくもありますが、この素晴らしい舞台
に出会えたこと、感謝の気持ちでいっぱいです♪
tiareさんの文章、すごく素敵ですね!!永遠の孤独を手に入れて「しまう」っていう言い方が、胸を突きました。
セゾニア・シピオン・エリコン・・その人々の愛をもってしても、救われ得なかったカリギュラ。
果てのない自由と、完璧なる孤独を、半ば望みながら、そして畏れながら、ついには手に入れてしまったんですね・・。
本当に、思い返すだけでまたあの舞台に取り憑かれます。
是非また、遊びに来てくださいね(^^)/