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王様の耳はロバの耳

渇望 * 第四幕−2

すたあ千一夜はおかしかったですね (^o^)

私は初めて見たので、最初は趣旨がわからなくて
(エンケンさん、浩市さんにコントさせられてたのか)
なんて思っていました (^_^;)

そして、子供の頃、毎日のように映画DVDを見て育ったのに、
旬くんが「禁じられた遊び」を知らないなんて変だな〜?
といぶかしみ、

ダンサーのくだりで、ようやく状況がわかりました (*_*)

「禁じられた遊び」については、瑞稀がいたら
「さえね〜返しだな!」って言われそうな、
しどろもどろのトボケようでした。

きっと、知っているからこそ、
知らないふりをするのは難しかったんでしょうね。

その分、ありえない「ダンサー志望」「ミュージカル」
「小栗ステップ」の話になったとたん、

水を得た魚のように、ノリノリでしたね〜 (^o^)

そして、あそこで立って見せた三揃いスーツ姿の、
なんとカッコよかったこと!

三谷さんが、立ち姿の美しい人をハトヤ隊員役に選んだ、
というのも、さもありなん。

ボックスステップも、小栗ステップ(?)も、
そしてオズのライオンがばあっと出てくるところも、

スタイリッシュで、かわいくて、最高でした! \(^o^)/

ただ、やはり私は三谷流のああいう笑いは、
それこそ、ロスコが見たら怒り狂う(?)、

ポップアートな作品だという気がします。

ロスコの思う「真剣な芸術」、旬くんにとって
それは、蜷川さんの舞台ではないでしょうか?

ケンは最後に、新しい芸術の創造へと送り出されましたが、
旬くんは、また巨匠のもとに戻って行って欲しいです・・。

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第四幕のつづきです。

ロスコに引きずり倒され、床に突っ伏していたケン。
けれどもう、ロスコの怒りに怯えることなく、言い放ちます。

「・・キュビズムの画家たちも、同じことを言ったんでしょうね。
 あなたたちに、死に追いやられる前に。」

ゆっくりと立ち上がり、木枠を立てて支えます。

その枠組がまるで額縁のようで、
ちょうどケンの上半身を切り取って、

これもまた、絵画のような端正な美しさです! (*^^*)

「生きているうちに、余計な存在になることは見苦しい。
子は父を追放して育つ。 敬愛する、だが殺す。

 ・・・あなたの言った言葉です。

 あなたたちは楽しそうに、キュビズムやシュールレアリズムの
 画家たちを追いやったのに、
 いざ自分の番が来たら、しがみついている。

 さあ、ロスコさん、出口はあちらです。
 今や現代抽象主義は、ポップアートに取って代わられたんだ。

 僕ができることは、あなたより慈悲深い神に祈ることだけ、
 神様、どうかロスコさんを、威厳をもって退場させてください!」

そう言って舞台裏への扉を指し示す時、
かつてのオドオドした猫背の新人の姿は微塵もなく、

昂然と頭を挙げて、堂々と立っています。

旬くんの立ち姿の美しさは、
そのまっすぐに伸びた背筋にあると思うのですが、

こういう時の姿勢の美しさには、惚れ惚れします (*^^*)

「考えても見ろ。
 滅び行く世代がそこにしがみついているのは、惨めだ。

 ・・心配しないで。
 あなたは、商売のための絵は描き続ければいい。」

ケン自身だって、ここまで言うつもりはなかったろうに、
もう、だれもケンの言葉の刃を止めることはできません。

ロスコは唸ります。
「お前、よくも・・」

そしてここからが、私が初日に心を鷲掴みにされた場面です。

木枠を両手でつかみ、ロスコから眼をそらしたまま、
唐突に尋ねるケン。

声は怖いほど静かですが、
ケンの心の悲鳴が聞こえるようです!

「僕がどこに住んでいるか知っていますか?」
「何だと?」
「アップタウン?ダウンタウン?ブルックリン?」
「知らん」

「僕が結婚しているか知っていますか?」
「??」
「僕は結婚している?恋人はいる?ゲイ?それとも・・」
「知らん。何だってそんなこと・・」

「僕が画家だって知っていますよね。」
「・・たぶんな。」
「答えて! 僕が画家だって知っていますよね!!」

2年間(そう、ここで初めて、もう2年が過ぎたことがわかります)、
週5日、毎日8時間、一緒に仕事をしてきたのに、

自分のことを知ろうともせず、家に招いてくれたこともなく、
従業員として以上の関心を見せてくれなかったロスコ。

ケンはロスコを師として慕っていたはずです。
尊敬もしていたはずです。

そしておそらくは、自分にはいない父親的な存在であることを、
少しは夢見ていたはずです・・ 

だから、ケンのこの悲痛な問いかけが切なくて、

旬くんは涙は見せていないのだけれど、
ケンの心が血を流しているのがまざまざと感じられて、

胸が痛くて泣きそうでした・・ (T_T)

ロスコに存在を認めてほしい、
師匠として、弟子への愛情を見せてほしい、

そういうケンの狂おしいほどの渇望が突き刺さってきて、
これはある意味、愛の告白だと思います。

それなのに、ロスコの答えは、
ケンの気持ちをズタズタに踏みにじる残酷なものでした・・


つづく
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by harupyonri | 2015-10-22 17:54 | 小栗旬 | Comments(0)