ブログトップ

王様の耳はロバの耳

壮絶な * 第三幕−3

「もしもし、ヒロくん?」

そこからの数秒をリピするだけで、号泣しそうなんですが、
来週はどうしましょう?

今まであまりなかった「普通の男性の役」、
確かにそうです。

旬くんの役が彼女から「◯◯くん、」と愛しげに呼ばれた記憶、
あまりないんですよね〜 (^_^;)

いつも、「奏・・!」と呼び捨てにされるような厳しい関係か、

もしくは「日向さん」と呼ばれるような、
一歩ひいた間柄のことが多かったような・・。

あの夫婦の何気ない会話だけで、
奥さんには甘えているんだろうな、という雰囲気が出ていて、

どれだけラブラブか、(←死語?) (^o^)
赤ちゃんができてどれほど幸せか、それがにじみ出ていて、

旬くん、これなら普通のラブストーリーだってできるじゃない!

・・でもそうはならないのが今度のドラマ。

涙で何もかも忘れてしまわないうちに、
ケンの記憶を書き続けたいと思います。

f0153101_23292362.png


下塗りの出来栄えに満足して、モップで床掃除をするケン。
塗ったばかりのキャンバスの前で、ハッと足を止めます。

英書では、ここで
「思いがけず、ケンの瞳に涙がにじむ」と書かれていますが、

舞台ではケンは後ろ姿だったので、
旬くんがどう演じていたのかわかりませんでした。

その気配に「どうした?」とロスコが尋ねても、
「何でもありません・・」と言いよどむケン。

でも再び問われて、

「思い出したんです・・、この暗い赤。乾いた、血の色・・。
 血は乾くと色が変わるなるなんて、知らなかった・・」

そして、話したくない、思い出せない、と言うケンに、
ロスコは無情なまでに「そんなはずはない」と繰り返します。

ここからの、ケンの生い立ちの告白が凄いです!

7歳の時に、両親が強盗に刺殺された、と。
雪の朝、音のしない家の気配、廊下に立ち尽くす妹。

「最初に見えたのは、窓の外の雪でした。
 嬉しかった、ソリができると思って。

 だけど変だった。何の臭いもしない。
 そして寒かった、・・どこかの窓が開いているんだ。・・」

音楽は消え、
下塗りしたばかりの真っ赤なキャンバスの前に立ち尽くすケン。

当てられるスポットライトは徐々に閃光のように真っ白になっていき、

赤絵の具で顔もTシャツも汚れたままのケンが、
まるで血まみれのようです。

気のいい青年に見えていたケンが抱える、壮絶な過去。
そして旬くんの語りが、観客の心を鷲掴みにします。

・・この語りですが、
実は初日はちょっと残念でした。

正確に演じきるのに精一杯だったのか、
これだけ悲惨な話を、わりとあっさり語ってしまった気がしました。

でも、その後はすぐに修正されて、
語り口だけで場の空気を支配するようになりました。

やがて、見ているこちらが心配になるくらい、
トラウマに震えるケンになっていって、

虚ろな目、自分の身体から首から耳を手でかき抱き、
頭を抱え、わなわなと震えながらの台詞に、

もう、息も止めて見入っている自分がいました!

直前の下塗りでかいた汗なのか、それとも本当の涙なのか、
ポタポタとしずくが落ちます。

「僕は、何をしたらいいのかわからなかった。
 ただ見ていた・・

 僕は・・、これ以上妹に見せちゃいけないと思った。
 妹を連れだしてドアを閉めた、

 そのドアのノブが、・・血で赤かった」

そう言って、振り向くと真っ赤なキャンバス。
そこで、我に返るケン。

旬くんの演技は、大抵は
20代のケンが、当時の記憶を思い出して語っている凄惨さを
表現して素晴らしかったのですが、

時々、本当に凄い時には、
声も仕草も、7歳の子供そのもののようになっていました!

今、まさに火の消えた家の中で戸惑い、
ソリができる、と思いながら両親の部屋を見てしまい、

その驚愕、呆然自失、何が起こったんだ、
血だ、ベッドにも、カーペットにも、壁にも血だ、

血って乾くと色が変わるんだ、
こんな暗い色になるんだ、

どうしたらいいんだ、妹に見せちゃいけない、
パパもママも死んでいる、血だ、ドアにも血だ・・

この舞台は、今まさに7歳のケンが立ち尽くしている廊下で、
そこにいるのは小さな震える少年で、

ケンが旬くんに降りてきた・・

そういう回が時々あって、
本当に、お芝居というものの凄さを実感しました!

・・・

それからケンは、気を取り直して
またロスコと普通に会話する青年に戻ります。

でも、誰とはわからぬ犯人を、いつか絵に描くのだ、
そういうケン。

「どんな奴だと思う?」 と問うロスコに、
ケンがボソリと答える、

「・・普通の人間・・」
その答えが、とても怖かったです。

異常者ではなく、ごく普通の人間が犯罪者になりうるということ、
ある日突然そんなことが起こるという不条理、

人間というものの深層の恐ろしさ、
・・それを体感してしまっているケン。

だからこそ、心癒されるポップアートに惹かれる方がいいんです。

ロスコが求めるような、いつもいつも腸をひねられるような
そんな絵画の見方をしていたら、

きっとケンの精神が持ちませんから・・。

f0153101_0314956.png


そして、ヒロくんはどうなるんでしょう?

ケンの両親を襲った突然の強盗のように、
妻に襲いかかった交通事故。

今回のドラマでは、妻を救うか、赤ん坊を救うか、
ということがテーマなのでしょうが、

現実世界なら、相手もわかっているのですから、
その犯人を憎み、恨み、苦しむことにもなるはずです。 (T_T)

ヒロくんの着るスーツの色が、だんだんと濃くなって行って、
最後には喪服のような黒になり、

そして・・
なんていうことはないはずですが、 (^_^;)

頭の中の銃弾を取り出した時に全てを忘れた安吾くんが、
サラリーマンになって幸せな結婚をして、

自分が殺した犯人(大森さん)にそっくりな小児科医に
自分の赤ん坊を救われて、全てを思い出すのだとしたら、

ものすご〜くシュールなドラマができそうな!?
・・局が違って残念です。(^o^)

安吾くん、タッチャンに続いて、
またハッピーエンドはありえないキャラクター、

おそらくは信長と光秀もハッピーエンドではないでしょうし、
ファンとしては、心が強くないとつらいですよね〜。

そろそろ次あたり、リチプアSPのラストシーンをも上回る、
ベタベタでコテコテのラブコメも見たいで〜す (^o^)/
[PR]
by harupyonri | 2015-10-18 00:58 | 小栗旬 | Comments(0)