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王様の耳はロバの耳

右肩に置かれた手

終わってしまって1週間も過ぎたのに、
いまだに頭の中は、彼のことばかり考えています。

そう、問題は、あの「肩に置かれた手」なんですよね〜 (>_<)

そして、リピしていて思い出したんですが、
そもそも、始まりもそこからでした。

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入院中の病院で、初めて女の子の幽霊に出会った時。

女の子の抱いていたクマのぬいぐるみを取り落とし、
号泣しているお母さんたちを見て、呆然としている場面。

看護師さんが安吾くんの右の肩に手をかけて、
ビクッと振り向いた姿が、やけに印象的でした。

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そして、言わずもがなのラストシーン。

こうして見比べてみると、髪型といい、やつれ方といい、
とても同一人物とは思えませんが・・(T_T)

彼の肩に手がかけられた時、
それが、安吾くんがBORDERを超えた象徴のような気がしました。

第一話では、
生者と死者の境界を超えた時。

ラストシーンでは、
正義と悪の境界を超えた時・・・。

もちろん、偶然の演出だったのかもしれませんが、
細かいところまで完璧に作りこんでいた脚本ですから、

もしかしたら、そんな意味合いもあったのかも??

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で、肩にかけられるのが頭だったりすると、

それは、お互い鼻についてた同僚が、ライバルという境界を超えて、
信頼できるバディに近づいた時なんですかね〜(^o^)

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でも、ラストシーンで安吾が超えた境界は、
単純に「正義と悪」とかの言葉では語れないものでした。

そもそも、脚本家さんの最初のコンセプトに書かれていたのは、

ーー等価であると信じていた正義と法のあいだに、実はBORDER(境界線)が引かれていることを目の前に突きつけられた石川は、とうとうある決断を下す。

安吾くんにとっても、そして私たちの実感から言っても、
法と正義は全然イコールではないですよね?

何が正義なのか、真実がわからないことが多々あるから、
便宜的に決められたルールが、法律なんです。

だから最初から安吾くんは、
正義のためなら、ためらいもなく法を破ります。

そういう違法捜査を、
私たちはどこまでなら受け入れられるか?

証人のでっち上げや、ハッキングぐらいなら、
「よくやった!」と快哉を叫びましたよね。

ネットで噂を流して社会的に制裁を加えるという手法は、
ああいうクズ相手にはそれしかないような気もしましたが、

おそらくは、意図した以上に炎上し、捏造が広がっていくのがネットですから、
その怖さを誰よりも知っているサイガーが、止めてくれたんですよね。

そして、最終話の安吾。

証拠を捏造しようとするあたりまでは、してやったりでしたが、
公務執行妨害をでっち上げるために自傷する時の安吾は、

もう、正気の目をしていませんでした。 (>_<)

自分の捏造が成功していると信じて、
「楽しみだな」と安藤に言うときの安吾も、

自分が人を裁くことのできる絶対者になったかのようで、
まさに、「強すぎるヒーローは怪人になってしまう」姿でした。(T_T)

いくら安吾が真実を知っていても、
そんなに急ぎすぎるな、そんなに無茶をするな・・と、

あまりに暴走する姿には、恐怖を抱いてしまうんですよね。

そして、最後の屋上。

終わってから皆さんの感想を探しまわって読み漁るなかで、
オンエア時のネット実況も読むことができたんですが、

安吾が屋上で安藤を脅した時、
「こんなやつ、突き落としちゃえ!」
「殺してほしいけど、どうせできないんだろうなー」
という書き込みであふれていたんです。

すっかり引き込まれて「犯人憎し」になっていた世論感情。

ところが、安吾がフッと突き落としてしまったとたん、
手のひらを返すように
「え〜〜!!!落としちゃったぁぁぁ」
「それはやっちゃダメだぁぁ」
という悲鳴の嵐になり、「よくぞやった」という人は誰もいなかった。

まさにそこが人の気持ちのBORDERで、
「殺したい」と願うことと、実際に「殺す」ことは、
天地ほども隔たっている・・。

それなのに、その間にある境界は、
実はすごく幅が狭くて、

フッとした気持ちの隙間で、
いともたやすく超えてしまうことがある・・

つまり、崖からほんの半歩踏み出しただけなのに、
落ちた先は二度と戻って来られない奈落の底。

一度超えたら、
取り返しのつかない境界があることの怖さを、

小栗・安吾がまざまざとその涙で語ってくれて、
胸に深く深く突き刺さりました・・。

(以下、蛇足です)


そしてね、思ってしまうんです。

あれほど潔く、インパクトのある終わり方をしたのだから、
万一、続編があったとしても、
中途半端な夢オチはないと思います。 (^_^;)

だからここでだけ、かなうことのない救いが欲しいんです。
お目汚し、どうかお許し下さいね。

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 * * *

たとえば安吾の肩を、激しく揺する手。
「石川、おい、石川っ!」

比嘉の連絡で駆けつけた立花が、
斎場の近くで意識を失って倒れていた安吾を、必死に呼び起こす。

「大丈夫なの?」
いつになく心配そうな瞳で、比嘉が見つめてくる。

「おまえ、またうなされてたぞ。とにかく病院で検査だ。」
と、有無をも言わさず安吾を担ぎ込む立花。

「レントゲンでは、まだ銃弾は元の位置にありました。
しかし、倒れたということは、もう一刻の猶予もないということです。
すぐに摘出手術をすべきです。」

今回ばかりは、きつい口調で言い渡す主治医。

やがて、病室に見舞いに訪れた班長が、
安吾のベッドの横に腰掛けて、諭すように語りかけます。

「石川、お前の言うとおり、犯人は安藤に違いない。
だけどな、今は待て。
5年かかろうが、10年かかろうが、確実な証拠をつかむんだ。
俺はおまえに、刑事としての誇りを失うようなまねはさせたくないんだ・・」

(俺はさっき、悪夢の中であいつを殺していた・・。
もしあの時、倒れずにあいつのところに駆けつけていたら、きっと・・)

病室の窓からは、
いつの間にか降りだした雨。

自分の中の黒々としたものが、胸にポッカリと開けた穴に、
飲み込まれそうになる安吾。

自分が何をしでかすかわからない不安。
どこまでが刑事にとっての正義なのか、
どこまでが人としての正義なのか・・。

(俺はなんで生き返ったんだろう?
なんとしても被害者の無念を晴らすことが、その答えだと思ってたのに。)

「おまえ、死ぬなよ。」

死んだ兄さんの声が聞こえて、
ハッとして振り向く安吾。

そこには、心配そうに覗きこむ班長がいます。

そして、そっと安吾の肩に手をかける班長。
その温もりが、こわばっていた安吾の心を少しずつ溶かしていきます。

(あちら側へ行かないでくれ!)

兄の、仲間たちの、そして被害者やその家族たちの、
安吾への思いが、

肩に置かれた手から伝わるかのように・・。

 * * *

そんな風に、最後にもう一度、
右肩に置かれたみんなの手が、安吾に境界を超えさせてくれないでしょうか?

怪人から人へと、
死から生へと、
憎しみから愛へと・・。

かなわぬ願いと知りながら、
そんな夢をみる今日このごろです。 (;_;)
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by harupyonri | 2014-06-13 19:12 | 小栗旬 | Comments(0)