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王様の耳はロバの耳

まだ、だめです

あのラストシーンの衝撃から、
そろそろ皆が落ち着いた感想を引き出している頃なのに、

私は今朝も、背後に誰かが立っている夢で目が覚めました。
(主人にまで、うなされていたと言われました(^_^;))

もともと小説とか映画とかに
めちゃくちゃ入り込んでしまうタチなので、だめなんです。

だからまだ、とりとめのないことしか書けませんが、
自分の心を鎮めるために、いま思うことを書かせてくださいね。 m(_ _)m

 * * *

・・ラストシーンが屋上であることはわかっていたし、
インタビューの言葉からも、ハッピーエンドでないことは予想していたのに、

その斜め上を行く展開でしたね。 (T_T)

みんながいろいろ想像していたように、
石川が安藤もろとも身を投げたのならば、

自らの命を賭して自らの正義を貫く姿に、
悲しいながらも美しい、納得のベタな結末だったと思います。

もしくは、完全に裏の「必殺仕置人」になることを決意して、
覚悟の上で境界を超えて不敵に笑ったのなら、

それはそれで、エンタメとしての連続シリーズ誕生で(?)、
あくまで作り事のお話になって安心できたと思います。

それなのにあの、永遠に答えの出ない終わり方!

最終回の展開だけならば、単館系の映画館でそっと上映される、
人間の業をリアルに描いた芸術作品のようで、

胸をえぐられたまま、まだその穴を埋めるすべが見つかりません。

あれが現実だったとしても、石川の妄想だったとしても、
突き落としたのは、フッと魔が差した無意識の行為で、

そして我に返って、
息もできないほど驚愕し、絶望し、後悔する・・

思えば、旬くんが演ずるその最後の表情のためだけでも、
9話分のドラマの存在意義があったと感じます。

そしておそらくは、そんな不完全な存在が「人間」という生き物で、
「絶対的正義」なんていうものは存在せず、

それを追い求めようとすれば、
やはりその人も人間ではなく、「怪人」になってしまうんですよね。 (T_T)

そして、まわりの仲間たちがあれほど心配し、気遣ってくれたのに、
あそこに突き進むしかなかったのが、石川安吾という人でした。

もしもね、銃弾を受けて幽霊が見えるのが立花くんだったら、
こんな結末にはならなかったと思うんです。

いい意味で単純でまっとうな彼ならば、(^^)
その能力を上手に捜査に使って、

苦しくなったらきっと、
「オレ、幽霊が見えるんだよ、どうしよう・・」って、
班長や比嘉さんや安吾に相談できたんじゃないかと。

でも石川安吾には、決してそれはできなかった。
結局、誰にも心は開けなかった。

それは、愛する兄の心をを理解できずに死なせた自責の念を、
ずっとずっと自分の中に秘めて生きてきたから、

誰とも結局はわかりあえない、自分は独りなんだ、
という強固な殻を作ってしまっていて、

ただもうその中でしか、生きられなかったんだと思います。 (T_T)

「一番大切なものは、決してひとから奪ってはいけないんです」
そう語っていた、静かで確信に満ちた瞳。

愛する家族との海の思い出を一緒に見ながら、
「わかるような気がします・・」と微笑んでいた瞳。

「ゴミ出ししている班長を見て、信じることにしました」
と申し訳無さそうに語った瞳。

けれど、権力と掃除屋に敗北し、消えない苦渋を舐めさせられて、
どんどん心が壊れていった安吾。

安吾自身が第三話で言ったように、
「あなたは、つらい思い出のあるこの場所にいてはいけなかったんです」

犯罪と、裏切りと、死者の無念がうずまく警察という場所に、
弾丸を頭に抱えた安吾は、とどまっていてはいけなかったんです。

・・そんなことを言っても仕方ないのですが、ただもう、

「決して穢れない若い衆」だった石川安吾という青年に、
たいそう目をかけて惚れ込んでしまっていたので、

あのラストシーンには、胸を掻きむしられる想いがやまなくて、
ただもう毎日いろいろな想いがぐるぐると頭をめぐって、

まるで、息子を喪くした母のようです・・ (T_T)

まだ、だめです_f0153101_160336.jpg


 * * *

もちろん、作品としては、
これほど素晴らしい作品に旬くんが出会えて、
本当に、本当に嬉しいです!!

ちりばめられたたくさんの伏線、
どの場面も、どの台詞も無駄がなく美しく、

すべてが、
安吾がこの最後を迎えるためにつながっていた。

終盤で急に、脚本家さんが饒舌なつぶやきを封印して去っていった時、
スタッフかキャストと何かトラブルでもあったのかと心配しましたが、

もしかしたら、このシリアスな最後を迎えるにふさわしい
幕引きをしたかったのかもしれません。

これほど難解な禅問答を視聴者に投げかけて、
潔く終わっていく民放連ドラは、久しぶりでした。 

何年も何十年も、見たものの心に残る作品になったと思います。 (^^)v

もうすでに、50回以上ラストシーンをリピしましたが、
もう少し落ち着いたら、

旬くんの渾身の演技をまた、
ひとつひとつ語り尽くしたいと思います。

最終話はもちろん、
第一話からまたこのラストを踏まえて見ると、最初から涙が止まりません。

社会復帰は当分先になりそうですが、
どうか気長に、心のリハビリにお付き合いいただけたら嬉しいです。 m(_ _)m
by harupyonri | 2014-06-09 16:07 | 小栗旬 | Comments(0)